FBSコロキウム 181回ミトコンドリア動態学研究室
講演 |
小胞体上のトランス作用因子を介したミトコンドリア分解の制御 岡本浩二[ミトコンドリア動態学研究室] |
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日時 | 2018年1月31日(水)12:15〜13:00 |
場所 | 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
世話人 |
岡本浩二(ミトコンドリア動態学研究室) |
小胞体上のトランス作用因子を介したミトコンドリア分解の制御
余剰または不良ミトコンドリアの選択的分解は、酵母からヒトまで保存された基本的な仕組みであり、ミトコンドリアの量と質の管理に寄与している。この異化過程は、細胞質成分をリソソームに運んで分解する細胞の自食作用「オートファジー」に依存しており、それゆえ「マイトファジー」と呼ばれる。マイトファジー欠損は、ミトコンドリア機能低下、神経変性、心/肝不全、老化、がんといった多くの障害に関わっており、その生理的意義が指摘されている。過去の研究において、マイトファジーの選択性を規定する鍵分子が多数明らかにされてきたが、細胞がどのようにしてマイトファジーと他の細胞機能とを連係させているのかはほとんどわかっていない。私たちは出芽酵母をモデル生物に用いて、マイトファジーと小胞体タンパク質生合成/分解経路との意外なリンクを示唆する証拠を得ている。異種オルガネラの因子がトランスに作用しミトコンドリア分解を制御する可能性について、議論したい。