2014年度の生命機能若手合宿のテーマは「Communication! ~Beginning of Everything」です。 異なる学術領域の人同士が、異なる価値観の人同士が、異なる国の人同士が、 お互いの考えを伝えあい理解しあうことができれば、新しい発見が生まれ、 物事を深く理解することにつながるのではないでしょうか。 本合宿では様々なバックグラウンドを持つ人が深く交流できるようなプログラムを用意いたしました。

また本合宿では、海外から十数名の大学院生や研究員を招待しております。 そのため、3日間を通して使用言語は英語。 国境も文化も越えた交流を行うために、英語は必須です。 英語に慣れていない方も、3日間みっちり英語の中で生活すると、 合宿を終えるころには想像以上に上達するのではないでしょか。

今年度も第一線で活躍されている研究者をお招きし、 研究内容から先生たちの人生観までざっくばらんな講演をしていただきます。 普通の研究セミナーとはひと味違うご講演を是非お楽しみ下さい。

築山先生は海外の米Fred Hutchinson Cancer Research CenterにてPIとして活躍されており、 生体内におけるクロマチン構造の制御について、 分子遺伝学的および生化学的なアプローチから研究されております。 講演では、最近の研究内容から先生の研究者としての人生観まで、お話ししていただく予定です。

また築山先生には、初日の夜に参加自由型の“日本人研究者の海外進出”セッションを開催していただきます。 海外での大学院、ポスドク、PI生活など、海外研究事情を自由に聞けるフランクな会となる予定です。 将来、海外で研究を行うことに少しでも興味のある方にとっては、非常に貴重なお話を聞ける機会になると思います。

長沼先生は広島大学で、生物海洋学、微生物生態学、極地・辺境等の過酷環境に生存する生物の探索調査を専門とし、 地球のあらゆる場所に直接足を運んで研究の面白さを追求されております。 「科学界のインディンジョーンズ」と呼ばれ、その名の通りアクティビティ高く研究活動を行っております。 また研究活動だけでなく、様々なメディアへの出演、一般向けの書物の執筆など、 アウトリーチ活動も積極的に行っております。 科学を楽しむ先生の人生や価値観、そしてその研究内容についてご講演いただきます。

ポスターセッションでは参加者全員に自身の研究に関する英語でのポスター発表をしていただきます。 このセッションはA、B、Cと3つに分かれており、いずれか一つのセッションで発表を行ってもらいます。 自分の発表がないセッションでは、興味のあるポスターを自由に聴きに行ってください。 生命機能研究科という一つの研究科の中にも様々な研究が行われていることを実感できると思います。 さらに本合宿では、海外から招待された学生、情報科学研究科、基礎工学研究科の学生も参加いたします。 普段から興味のある分野に加えて、普段あまりなじみのない研究にも積極的に聴きに行ってください。

※ ポスターを各自ご用意下さい

  • 横841mm × 縦1189mm (A0サイズ)以下。A0以下であれば、発表スライドを並べたものでもOK。
  • 原則として英語で作成すること。
  • ご自分の研究を異分野の研究者にも分かりやすく説明した内容で作成してください。

ポスターツアーは、異なる研究分野メンバーで構成されたグループで行います。 順番にメンバーのポスターを回っていき、研究発表とそれに関するディスカッションを行います。 グループは意図的に研究分野が異なるようにしてあります。そのため発表者は、他分野のメンバーに自分の研究意義がわかるような発表を心掛けてください。 また、聞き手に回るときは、発表者の分野では当たり前すぎて普段聞けないような基本的なところから、遠慮せずどんどん質問していってください。

異分野の方に自分の研究をうまく説明する練習、また異分野の研究を基礎からなんでも聞けるような場として活用してください。

グループディスカッションでは、答えのない問いを5つ用意します。 皆さんには、参加申し込み時に、ディスカッションしたい議題の希望を伺います。 当日は、皆さんの希望に従って決めたグループで5つの議題のうち1つを、ディスカッションしてもらいます。 5つの議題に対して全体のグループ数は10前後になる予定です。 そのため、同じ議題をディスカッションするグループが複数生まれます。 ディスカッションの途中、同じ議題についてディスカッションしているグループ同士で簡単な中間発表と意見交換を行い、議論をさらに発展させ深めるきっかけにしていただきます。 合宿の最終日には、グループなりに出した答えを、全体の前でプレゼンテーションしてもらいます。 答えのない問いに対して、考え方の異なるメンバーとどこまで深く考えることができるか、チャレンジしてみてください。

以下に5つの問いを示します。 これらは抽象的な問いになるので、具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。 そこで、ディスカッションを始める際のヒントになるように、それぞれの問いの下に具体例を示していますので、参考にしてください。

たとえば…

  • 人工知能はどこまで出来るのだろうか?
  • 人類は、自らが生み出した技術によって滅んでしまわないだろうか。
  • Life Sciences はどこまで進化していくだろう。
  • 遺伝子操作技術は世の中をどう変えていく?
  • 私たちは10万年後の地球を想像できるだろうか。

たとえば…

  • はたして科学的なこととは真実なのだろうか?
  • どうして科学するのだろう?ほんとに必要?
  • 科学は宗教に取って代わった存在?宗教からみた科学とは?科学と宗教はどうゆう関係でいるべきだろう。
  • 科学の力で世界を変えることは、いいこと悪いこと?

たとえば…

  • 人は特別なのだろうか?動物との違いは?
  • 見かけも、反応も、全く人と同じロボットがいたら。あなたはそれをどう認識しますか?
  • 心ってなに?
  • 進化学的にみて人はどうして生き残ることができたのだろう。

たとえば…

  • 恋愛っていったいなんだろう?
  • 価値観ってなに?
  • 健康はどうして大事?どれくらい大事?
  • こんな人生を送りたい!でもどうして人は人生に意味を求めるの?
  • 科学者の人生ってどんなものだろう?

たとえば…

  • 役に立つvsおもろい。“おもろい”は本当に求められるのだろうか?
  • 知的好奇心の創り方。知的好奇心はどうしておこってくるの?
  • おもろい研究?おもろい研究者?おもろい大学?おもろい国?おもろい人生? っていったいどんなもの?
  • 科学ってこんなところがおもろい!科学のロマンを語ろう!
  • 科学のおもろさを、世間に伝えていく、ちょっとおもろいアイディアはないだろうか?

エクスカーションでは、グループディスカッションのグループで京都を自由に散策していただきます。 合宿も半分が終わろうとするところで、一度リフレッシュしましょう。グループには外国から来られた学生もいますので、お互いの国のことや文化の違いについてゆるりと語り合うのもいいのではないのでしょうか。 もしグループディスカッションが盛り上がっているようでしたら、議論しながら観光するのもいいかもしれません。 せっかく知り合ったメンバー同士、さらに交流が深まることを期待しています。

2014年度は以下のようなタイムテーブルを予定しています。