若手合宿に参加される大学院生、PD研究員、特任助教、助教の皆さん

生命機能研究科のGCOEプログラムは2012年3月で終了しましたが、 プログラムで毎年夏に実施してきた学生主催の若手合宿研究交流会については、 研究科が特別経費として文部科学省からいただいた生命動態イメージングプロジェクト(2012年-2016年)予算により、 今年度も継続して開催できることになりました。今年で8回目です。

2011年3月の東日本大震災からの復興は遅々として進まず、 まだまだ大勢の方達が苦しい生活を強いられています。 その影響をほとんど受けず平穏に暮らしている我々にできることは、 いろいろな意味で大きな危機にある日本や世界の将来をいかにして支え、 豊かに発展させる方策を考えることです。 どのような危機も乗り越えていける強い日本をつくり、 人類社会を豊かに発展させる科学技術を産み出せるよう、 視野を広げてよく考え、研究を進めることです。 とは言え、すぐに役立つ研究成果を求めるのではなく、 多くの人に感動を与えるような「おもろい研究」をめざすことこそが、 長い目で見て将来の役に立つ成果につながるのだと信じています。

生命機能研究科で我々がめざすのは、基礎生命科学、医学、理学、工学を含む 広い範囲で様々な研究分野の融合を推進し、従来の生命科学の枠組みを越えた 世界最高水準の分野横断的教育研究拠点をつくること。 国際交流を推進して次世代の国際社会を担う若手人材を育成することです。

主役は学生と若手研究者である皆さんです!

生命機能研究の様々な分野を世界の最先端で牽引するこの研究科で、 研究の枠組みをぶち破り、さらに高いレベルに発展させて、 未来の予測医療や新しい原理に基づくものづくり、 耐障害性の高いシステム作りに展開させるためには、 異なる分野で教育を受けた皆さんがお互いの垣根を越えて密に議論を重ね、 新しい研究分野や研究手法を切り開く以外に道はありません。 各グループの研究を個別に推進するだけでは実現不可能な「未知の領域への挑戦」。 これがこの研究交流会のキーワードです。 是非この会に参加して生命機能研究の未来をじっくり語り合ってください。 きっとそこに何かが生まれるはずです。

この学生主催若手合宿研究交流会は、異分野融合の積極的な推進のためにと考えた活動の一つであり、 生命機能研究科の活動のなかでも最も重要なものです。 皆さん一人一人がこの機会を積極的にかつ有効に活用し、 普段はあまり話し合う機会のない研究分野の人たちといろいろな話をするきっかけにして、 今後の研究に役立てて欲しいと思います。

海外から大学院生や若手研究員を招いてこの会を開催するのも6回目となりました。 今年もリーディング大学院「ヒューマンウエアイノベーション博士課程プログラム」の支援により、 海外からも10数名の若手を招聘する予定で、彼らも皆さんと一緒になって 異分野融合への旅の始まりを満喫してくれると期待しています。

この貴重な機会を大いに楽しんでください。 そうするうちに必ずどこかで「おもろい研究」が生まれてくるはずです。 それを楽しみにしています。

 

難波啓一 学生主催若手合宿研究交流会担当教授
柳田敏雄 生命動態イメージングプロジェクト特任教授
仲野 徹 生命機能研究科長