吸光-03
ランベルト・ベールの法則の導き出し方
前ページで以下の式まで導き出しました.
\(\Large ln \frac{ I(x)}{I_0} = S \cdot c \cdot x \ \ ln \left(1- \frac{\sigma}{S} \right) \)
ここで,S>>σ,としたので対数部分を展開して近似できます.
マクローリン展開を用いると,
\(\Large ln \left( 1-\frac{ \sigma}{S} \right) = -\frac{ \sigma}{S} \)
と置くことができるので,
\(\Large ln \frac{ I(x)}{I_0} = -S \cdot c \cdot x \cdot \frac{ \sigma}{S} = - \sigma \ c \ x \)
とすることができます.
したがって,
\(\Large \frac{ I(x)}{I_0} = e^{- \sigma \ c \ x} \)
となります.
10のべき乗に直すと,
\(\Large
\begin{eqnarray}
log \frac{ I(x)}{I_0}
&=& log \left( e^{- \sigma \ c \ x} \right) \\
&=& - \sigma \ c \ x \cdot log \ (e) \\
&=& -0.434 \cdot
\sigma \ c \ x
\end{eqnarray} \)
つまり,
\(\Large
\begin{eqnarray}
\frac{ I(x)}{I_0}
&=& 10^{-0.434 \cdot
\sigma \ c \ x} \\
&=& 10^{-\varepsilon \ c \ x} \\
&=& 10^{-A} \\
\end{eqnarray} \)
ここで,
\(\Large \varepsilon = 0.434 \cdot \sigma \)
\(\Large A = \varepsilon \ c \ x \)
としています.このAを吸光度と呼びます.
つまり,透過率,t,と吸光度,A,の関係は,
\(\Large A = 0 \ \Rightarrow \ t= 10^0 = 1 =100 \% \)
\(\Large A = 1 \ \Rightarrow \ t= 10^{-1} = 0.1 =10 \% \)
\(\Large A = 2 \ \Rightarrow \ t= 10^{-2} = 0.01 =1 \% \)
となります.
では,次ページにもう少し詳細に吸光度の保つ意味を考えていきましょう