吸光-04
\(\Large \frac{ I(x)}{I_0} = 10^{-A} \)
\(\Large A = \varepsilon \ c \ x \)
となりました.
ここで,
ε : 分子吸光係数
A : 吸光度
と呼びます.
つまり,吸光度は溶液の濃度(c)と溶液層の厚さ(x ; セルの光路長)に比例し,その比例定数(ε)は測定光の波長と物質の化学的性質だけによって決まります.
この定数,ε,のことを吸光係数と言うのです.
ですので,生物学では,この溶液層の厚さx = 1 cmとして定義することにより,吸光度は溶液の濃度に直接比例することになります.
つまり,吸光係数の明らかな溶液なら,その吸光度を計ることで,その溶液の濃度を知ることができるのです.
次元
では,吸光度の次元はどうなるのでしょう?濃度の捉え方によりますが,すくなくともべき乗の項は無次元となりますので,
モル分子吸光係数 : M-1 cm-1
分子吸光係数 : (mg/ml)-1 cm-1
となります.
しかし,食品業界などでは,
\(\Large E^{1 \%}_{1cm} \)
と表している例もあります.(例えば,ここ,の89ページ)
これは,濃度を重量対体積百分率(w/v)で表しているものと思われます.
また,水など濃度が一定の場合,濃度の次元はなくなりますので,
\(\Large cm^{-1} \)
という単純な表記もあります(例えば,ここ)
では,実際のモル分子吸光係数はいくつぐらいなのでしょうか?