吸光-02
ランベルト・ベールの法則の導き出し方
ランベルト・ベールの法則の導き出し方はこの,サイト,を参考にさせていただきました.ありがとうございます.
まず,試料中に断面積σの分子が一つ存在する場合を考えましょう.
強度I0の光が面積S,厚みxに照射されると考えます.断面積σの分子は光を完全に遮断します.また,
S >> σ
とします.
透過する光強度は,
\(\Large I(x) = I_0 \ \left(1- \frac{\sigma}{S} \right) \)
となります.
では,N分子存在するときにはどうなるのでしょう?
この場合の透過強度,I(x),は,
\(\Large I(x) = I_0 \ \left(1- \frac{\sigma}{S} \right)^N \)
となります.注意すべき点はN倍ではなく,N乗,です.
なぜ,N乗,なのでしょうか? 以下の図を見るとよくわかります..
小学校のときに習った,ベン図,ですね.
全体を1,赤円を0.1として考えていきましょう.
1つの円に入る確率が0.1となります.
2つの円に入る確率は0.1✕0.1=0.01,となります(濃い赤い円).
したがって,赤い部分に入る確率は,0.1 + 0.1 - 0.01✕0.01 =0.19
よって赤い部分に入らない確率は,1 - 0.19 = 0.81 = 0.92
となります.
さてこの対数をとると,
\(\Large ln \frac{ I(x)}{I_0} = ln \left[ \left(1- \frac{\sigma}{S} \right)^N \right] \)
となります.Nと濃度との関係は,
\(\Large c = \frac{N}{S \cdot x} \)
となるので,
\(\Large N = S \cdot c \cdot x \)
となり,
\(\Large ln \frac{ I(x)}{I_0} = S \cdot c \cdot x \ \ ln \left(1- \frac{\sigma}{S} \right) \)
となります.
次ページに近似を加えて式を展開していきましょう.