さて,ステップ状の変位の代表的なトレースを見てみましょう.
これは,単純に数値的に発生したシミュレーション波形です.
一応,キネシンのステップ運動に似せるため,
ステップ:8nm
にしてあります.
しかも,1秒ごとの等間隔で.
ノイズは,レーザートラップでの計測で,トラップ力を,
とした場合,等分配の法則,
として得た値,
のノイズを足し合わせています.
実際の実験では,高周波カットフィルタを使うことにより,もうすこし見栄えがいい結果となりますが...
さて,なんとかステップらしき変位が見ることができます.
これをどう解析するか...
ある程度,フラットな部分ごとに区分けして,それぞれの平均値,平均値ごとの差,を求めて変位を求める,というのが一般的ですね.
しかし,もう少し,ノイズを除去したい,と言うことで高周波カットフィルタをかけ過ぎると.....
4Hzのローパスフィルタを使用しています.
黄色いラインのように,かなりノイズは除去できますが,立ち上がりがかなりなまってきてしまいます.
あまり美しくないし,立ち上がりのところで何がおきているか,全くわかりません.
では,
立ち上がりもシャープなまま残したい
さらに,ノイズ成分を小さくしたい
と言うためには,どのようにすればよいでしょう?
それが,Chugさんと,Kennedyさんが提唱した,
Chung-Kennedy filter
なのです.
では,次にそのフィルタを見てみましょう.