大脳皮質を構成する神経細胞は約80%を占める興奮性神経細胞と、約20%を占める抑制性神経細胞で構成されています。このうち興奮性神経細胞は大脳皮質の脳室帯幹細胞に由来しますが、どのようにその多様性が生み出されているかについて、その詳細はわかっていません。これらは皮質の出力を担う投射性神経細胞であり、その投射先から皮質外と皮質内投射の2つのタイプに分けることができます。これまでの研究で、これら2つの神経細胞は発生過程において順次産生される事を明らかにし、神経細胞の誕生日(最終分裂日)とその性質が強く関連している事を示しました。一方、神経細胞の誕生にはいくつかの様式があり、マウスでは脳室帯幹細胞から直接生まれるものと、神経中間前駆細胞を介して生まれるものがあることが知られています。現在、マウスの遺伝学的標識法を用いて、2つ神経細胞産生様式が神経細胞多様性形成にどのように寄与しているかについて研究を進めています。
Hatanaka Y., Namikawa T., Yamauchi K. Kawaguchi Y. “Cortical divergent
projections in mice originate from two sequentially generated, distinct
populations of excitatory cortical neurons with different initial axonal
outgrowth characteristics.” Cereb Cortex 26,
2257-2270 (2016)
https://academic.oup.com/cercor/article/26/5/2257/1754283
Hatanaka
Y., Yamauchi K. “Excitatory cortical neurons with multipolar shape
establish neuronal polarity by forming a tangentially oriented axon in the
intermediate zone.” Cereb Cortex 23,
105-113 (2013)
https://academic.oup.com/cercor/article/23/1/105/330424
research TOPへ戻る |