ウィルコクソンの符号順位統計量

 

ウィルコクソンの符号順位統計量,は
 対応のあるデータのデータの差がプラスかマイナスか
という検定となります.

こちらのサイトを参考にさせていただきました.データ,を少しいじりました,同列の順位があるとややこしいので変えてあります..データをいじっても順位が変わらなければ結果は同じとなります.

10セットのデータを用意します.

今回は単純のため,変化なしのデータ,やタイデータは考慮しないデータセットとしました(変化なしの場合は除く,らしい.タイデータの場合は???

before after
A 12 8
B 7 20
C 19 28
D 22 23
E 15 22
F 15 20
G 15 23
H 11 17
I 15 13
J 11 8

差分をとります.

before after
A 12 8 4
B 7 20 -13
C 19 28 -9
D 22 23 -1
E 15 22 -7
F 15 20 -5
G 15 23 -8
H 11 17 -6
I 15 13 2
J 11 8 3

絶対値をとり,絶対値による順位を付けます.

before after 差の絶対値 絶対値の順位
A 12 8 4 4 4
B 7 20 -13 13 10
C 19 28 -9 9 9
D 22 23 -1 1 1
E 15 22 -7 7 7
F 15 20 -5 5 5
G 15 23 -8 8 8
H 11 17 -6 6 6
I 15 13 2 2 2
J 11 8 3 3 3

 

変化量がプラスの場合とマイナスの場合に分けます.

before after 差の絶対値 絶対値の順位 プラスの順位 マイナスの順位
A 12 8 4 4 4 4  
B 7 20 -13 13 10   10
C 19 28 -9 9 9   9
D 22 23 -1 1 1   1
E 15 22 -7 7 7   7
F 15 20 -5 5 5   5
G 15 23 -8 8 8   8
H 11 17 -6 6 6   6
I 15 13 2 2 2 2  
J 11 8 3 3 3 3  
合計           9 46

 

期待値,分散値は,

\(\Large \displaystyle E(T)= \frac{n(n+1)}{4} = \frac{10(10+1)}{4} = 27.5 \)

\(\Large \displaystyle V(T)= \frac{n(n+1)(1n+1)}{24} = \frac{10(10+1)(2 \cdot 10 +1)}{24} = 96.25 \)

となりますので,z値は,

\(\Large \displaystyle z_+ = \frac{T_+-E(T_+)}{\sqrt{V(T_+)}} = \frac{9-27.5}{\sqrt{96.25}} = -1.886 \)

\(\Large \displaystyle z_- = \frac{T_--E(T_-)}{\sqrt{V(T_-)}} = \frac{46-27.5}{\sqrt{96.25}} = 1.886 \)

標準正規分布における両側5%の範囲は,こちらに,記載しましたように,±1.96,となるので,

\(\Large \displaystyle -1.96 < \frac{T-E(T)}{\sqrt{V(T)}} < 1.96 \)

となり,±1.96の範囲内なので,有意さがあるとは言えない,ことになります.

 

次ページに,期待値と,分散値の求め方を考えていきましょう.

 

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