RLC回路におけるステップ応答-07

RLC回路からの内部抵抗測定

つぎに,RLC回路について考えていきましょう.

対象となる回路は,以下に示すものです.

となります.

RLC回路

RL回路は,ここ,で計算したように,

\( \Large V_0 \left[ 1- \frac{1}{\sqrt{ L \ C} \omega} \ e^{- \alpha t} sin ( \omega t + \phi) \right] \)

ここで,

\( \Large \alpha = \frac{ R }{2 L} \)

\( \Large \omega = \sqrt{ \frac{1}{LC} - \left( \frac{R}{2L} \right)^2 }\)

\( \Large tan \phi = \frac{\omega}{\alpha} \)

となります.

 

実験結果

実際に可変抵抗とコンデンサをもちいて測定してみました.

 可変抵抗: ~4.77 kΩ

 コイル: 102K (1 mF)

 コンデンサ:331(330pF)

です.

このように,抵抗を変化させても,振動数は余り変わらずに,振幅が変化していくことが分かります.

それは,周波数ωにはあまり抵抗,Rの寄与が少ないからですね.

 

Rのプロット

実際の計算には,コイル,コンデンサの値を固定して,抵抗値を推定しました.

独立にテスタで計った可変抵抗の抵抗値と,波形から推定した抵抗値ををプロットしてみると,

と,切片を持った直線関係になり,可変抵抗以外の抵抗成分が含まれていることが分かります.

しかし....その値が,120.54Ω....予想していた内部抵抗50Ωに比べて大きい...

もしかしたら,コイル,コンデンサが実際の値とは異なるために内部抵抗の値の見積もりが変わったのかと思い,コイル,コンデンサの値を変化させてみました.

コイル (90, 110 mH)

すると,コイルの値を公称値から外すと,直線関係は悪くなり,切片も大きくなってしましました.

コンデンサ (320, 340 pF)

こちらも,コンデンサの値を公称値から外すと,コイルほどではないですが直線関係は悪くなりました.切片はあまり変化がないようです.

 

疑問点...

・なぜ内部抵抗の値がRLC回路のみ大きいのか

試しに,可変抵抗なしでのLC回路で測定して見ましたが,やはり100Ω

C回路(内部抵抗を含めるとRC回路)では47Ω程度.この差がどこから来るのかは不明です.

・コイル,コンデンサの公称値

今回の結果はコイル,コンデンサともに公称値での計算が一番よい結果となりました.

素晴らしい素子,と言ってしまえばそれで終わりですが....何かしっくりきません.

 

ご存じの方がおられましたら教えてください.

 

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