RLC回路におけるステップ応答-01
RLC回路からのステップ応答
RLC回路におけるステップ応答を実際に実験で確かめてみましょう.
対象となる回路は,以下に示すものです.
RLC回路は,
\( \Large \ RI + L \frac{dI}{dt} + \frac{1}{C} \int I \ dt = V_0 \)
で表すことができます.ここで,
R:抵抗(Ω,オーム,V/A)
L:コイル(H,ヘンリー,Vs/A)
C:コンデンサ (F, ファラド,As/V)
です.
ステップ応答(0~V0)における電圧の変化は,ここ,で計算したように,
\( \Large V = V_0 \left[ 1- \frac{1}{\sqrt{ L \ C} \omega} \ e^{- \alpha t} sin ( \omega t + \phi) \right] \)
\( \Large \alpha = \frac{ R }{2 L} \)
\( \Large \omega = \sqrt{ \frac{1}{LC} - \left( \frac{R}{2L} \right)^2 }\)
\( \Large tan \phi = \frac{\omega}{ \alpha} \)
となります.
実際に,RLC回路を組んで,減衰振動の波形からフィットすればいいのですが,いくつか問題点があります.それは,
1.内部抵抗をどう考慮するのか?
2.LとCを分離して推定できるのか?
などです.
1.内部抵抗をどう考慮するのか?
これは,波形発生器自体にも内部抵抗が存在しますし,コンデンサ,コイルにも若干の抵抗成分があると言われています(ほかにもコンデンサ,コイル成分なども).
きちんと計測するのなら,インピーダンス測定器などを使う必要があるらしいのですが,あいにく私は持っていません.
2.LとCを分離して推定できるのか?
式を見ると,LC,という積の形で表現されていることが多いことが分かります.
ですので,フィッティングの場合に,LとCをきちんと分離して推定できるかに若干の不安があります.
そこで,一つ一つパラメータを確定していく方法を今回はとってみます.