実際の実験結果ではなく,コンピュータ上での理想的な場合のシミュレーションで試してみましょう.
拡散定数:1000um2/s
τ:1ms
観測時間:1s(つまり1000ポイント)
試行回数:10回
その結果がこちらです.
まあ,なんとばらけていること!
赤の太線が10回試行の平均値で,何とか直線に近いですが,それ以外はばらばらです.
これはつまり,
時間間隔が長いほど,二乗平均の求める値がばらつく
と言うのものです.原点に近いところを見ると,
まあまあ,全てのカーブがまあ平均値(赤の点線)と同様の直線になっていることがわかります.
従って,
MSDプロットを解析する場合,原点近くのみ信頼がおける
こととなります.
この解析は,一次元,二次元,三次元,回転拡散,などどれにも適用できますので参考になさってください.