単粒子解析からの拡散定数の見積もり方-05

実際の実験結果ではなく,コンピュータ上での理想的な場合のシミュレーションで試してみましょう.
 拡散定数:1000um2/s
 τ:1ms
 観測時間:1s(つまり1000ポイント)
 試行回数:10回

その結果がこちらです.

まあ,なんとばらけていること!
赤の太線が10回試行の平均値で,何とか直線に近いですが,それ以外はばらばらです.
これはつまり,
 時間間隔が長いほど,二乗平均の求める値がばらつく
と言うのものです.原点に近いところを見ると,

まあまあ,全てのカーブがまあ平均値(赤の点線)と同様の直線になっていることがわかります.
従って,
 MSDプロットを解析する場合,原点近くのみ信頼がおける
こととなります.

この解析は,一次元,二次元,三次元,回転拡散,などどれにも適用できますので参考になさってください.

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