偏光顕微鏡のなぞ-03

 

なぜ,偏光が回転する?

 

ここで,偏光面を45度傾けた系を考えましょう.すると斜めの光のみが通過しますが,この光はX方向とY方向に分離することができます.

X,Y,それぞれの波形は,振幅,位相,ともに等しいので,

\(\Large E_x (z,t) = E_{0x} \ cos (kz - \omega t) \)

\(\Large E_y (z,t) = E_{0y} \ cos (kz - \omega t) \)

ここで,簡単に,z=0, E0x=E0y=1,とすれば,

\(\Large E_x (0,t) = cos ( - \omega t) \)

\(\Large E_y (0,t) = cos ( - \omega t) \)

合成波の角度をθ,とすると,

\(\Large tan \theta = \frac{y}{x} = 1\)

\(\Large \theta = \frac{\pi}{4} \)

となることがわかります.

この角度,θ,を変えるためには,

\(\Large tan \theta = \frac{y}{x} \)

とあるようにxとyとの比を変えればよいので,

\(\Large tan \theta = \frac{E_y (0,t)}{E_x (0,t) } \)

となり,x,yの振幅を変化させればよいことになります.

振幅の変化?ということは物体を通る透過率の変化となりますね...

おかしいですね....前ページにもあったように,複屈折とは,屈折率に異方性がある=位相の差が発生するため,とあり,透過率の変化に関する記述はないですね...

それでは,位相の差が発生する場合にはどのようなことになるでしょう?

 

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