さて,先に述べた,照明と共役な点に,絞り,をおいてみましょう.
そうなるとどうなるか....
照明から発せられた光を制限するわけですから,
光の量が減る
ことになります.
つまり,
サンプルへの照明を絞りによって調節することができる
ということになるのです.
図では一点から発せられた光を示していますが,照明が点光源ではないので,中心以外からの光が絞りによって制限されるのです.
この位置を,
開口絞り(Aperture stop)
と呼びます.
この絞りの位置は,サンプル上では集光しませんので,サンプル上ではこの絞りを見ることができません.
次に,サンプルと共役な点に絞りをおいてみましょう.
先ほどと,ほとんど変わっていませんが,一番の大きな違いは,
絞りの位置とサンプルの位置が共役である
従って,絞りの像も観察できる
となります.
これが何を意味するかというと,
サンプルに照射する範囲を制限することができる
なのです.
この位置を,
視野絞り(Field stop)
と呼びます.
視野絞りを調整することにより,不必要な場所に照明を当てることがなくなります.
これは,視野外からの散乱光,を防ぐことにより,より高いコントラストの像を得ることができます.
また,蛍光観察においても,余分な範囲に励起光を与えなくすることができるので,高コントラストとともに,無駄な退色を防ぐこともできます.