さて,もう少し詳しく,実波形と,フーリエ変換との関係を見ていきましょう.
実際にデータ解析に回す,実波形のデータは,
デジタル化
しています.
そこで,そのときの情報としては,
サンプリング周波数
サンプル数
があります.
サンプリング周波数とは,
1秒間に何回データを取得しているか
と言うもので,次元は,[1/s],となります.
この逆数で,
サンプリングレート [s]
と言う考え方もあります.
これは,
何秒に1回,データを取得しているか
と言うものですね.
サンプル数は,もちろん,
1回の取得でいくつのデータを取得したか,
となります.
そこで,得られた波形の全長,サンプル時間は,サンプリングレートの次元を[1/s]で考えると,
n : サンプルの数
Stime : Sampling time [s]
Sfreq : Sampling frequency [1/s]
となります.
実際に波形を見てもらった方がわかりやすいでしょう.
上の図では,
サンプリング周波数:周波数 [1/s] = 1000
サンプル数:サンプル数 = 1000
で表しています.
ですので,実波形の横幅は1秒となります.
では問題の,フーリエ変換した場合の,
周波数帯,frange [Hz]
周波数のレート,df [Hz]
はどのように考えればいいのでしょう?
これは,各ソフト,によって若干変化しますが,LabView,の関数の場合,このようになっています.
ここで,
df : 横軸の周波数の最小単位 [Hz]
fnumber : 横軸の周波数の数
frange : 横軸の周波数の最大値(右端の値) [Hz]
となります.
つまり,実験データを解析する際に,
どのくらいの範囲の周波数を解析したいかは,サンプリング周波数をいじればいい
どのくらいの細かい周波数を解析したいかは,サンプリング周波数とサンプル数をいじればいい
と言うことなのです.
どのくらいの範囲の周波数を解析したいか,とは500Hzまでの周波数のスペクトルを見たい,とか300Hzまで,とかです.
どのくらいの細かい周波数を解析したいか,とは20Hzの場所を見る場合に,19,20,21Hzごとの変化か,19.9,20.0,20.1Hzで区切るのか,と言うことですね.
次のページでは,窓関数について説明しましょう.