平衡反応における移行頻度

平衡反応における平均値,分散値,というものは,ここ,で説明しました.
では,ある一定時間内に何回ぐらい移行(A0からA1 + A1からA0の総和)はどの程度になるのでしょう?

さて,二状態をとり得るケースを考えましょう.

ここで,A0,A1という二状態をとり,それぞれの速度定数は,p,qである場合(次元は,1/s)を考えましょう.
単純に,総和を1としておきます.

平衡状態において,各状態の割合は,

となります.
なので,一定時間,T,の間には,

なる時間滞在するわけです.

さて,各状態それぞれのステップの滞在時間は,

となります.これは一定の値ではなく,指数関数となります(詳しくはこちら).
ですので,それぞれの状態にいくつのステップがあるか,と言うと,

となるわけです.

移行の回数は,この二つの回数の和,から1を引いた値(0→1→0だと2回なので)ですので,

となります.

実際にこの計算通りになるかを確かめたのが,以下のLabViewプログラムです.ご覧ください.

Number of steps-130604.vi

 

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