大阪大学大学院 生命機能研究科 個体機能学講座
発生が正確であるしくみを細胞間のコミュニケーションから理解する

研究概要

私たちは、体が正確に作られる仕組みを研究しています。正確であることは、発生の非常に重要な特徴です。発生が正確に行われないと発生の停止(流産)、先天性の奇形などの異常や疾患につながります。発生過程では細胞が分裂、分化、死、移動等のダイナミックな変化を行いながら、細胞が集まって臓器や体の複雑な構造を正しく作り上げてゆきますが、発生中の胚内の個々の細胞を見ると、そのふるまいや状態には大きなばらつきがあります。このようにばらつきのある細胞が、どのようにして集団として正確に体を作ることができるのでしょうか?

発生が正確に行われるためには、細胞間のコミュニケーションが重要な役割をしています。細胞は周囲の状況や隣接する細胞の状態を理解して、自分自身のふるまいを調節したり隣接細胞のふるまいを調節することで、全体として調和のとれた体をつくり上げてゆきます。私たちは、このようなコミュニケーションのしくみや役割の研究を通して、発生の正確性を可能にするしくみを明らかにすることを目指しています。そのため、マウスの初期胚や培養細胞を主な研究対象として、Hippo シグナルや細胞競合等の細胞間コミュニケーション機構に注目して、そのしくみや役割を明らかにする研究を行っています。

キーワード

  • マウス
  • 発生
  • 細胞間コミュニケーション
  • Hippo シグナル
  • 細胞競合

ニュース

  • 2022.12.13〜15
    金沢市文化ホールで学術変革領域「多細胞生命自律性」の第2回領域班会議があり、大学院生の今野さんがベストポスター賞を受賞しました。おめでとう。
  • 2022.11.30〜12.2
    第45回日本分子生物学会年会において、大学院生の廣野君、今野さん、柴田さん、橋本准教授が、最新の研究成果について発表しました。また下條助教はワークショップを主宰、発表しました。
  • 2022.12.8
    橋本准教授が FBS コロキウムで、エピブラスト形成時の異常細胞の排除機構について講演しました。
  • 2022.5.31〜6.3
    第55回日本発生生物学会大会において、大学院生の増井君が迅速な胚特異的変異体の作成法の開発について、橋本准教授がエピブラストの形成機構について、それぞれ発表しました。
  • 2022.4.1
    荒井君が入学しました。佐々木研へようこそ。
  • 2022.3.24
    増井君、由良さんが修士号を授与されました。おめでとう。
  • 2022.3.14〜16
    淡路夢舞台で細胞競合コロキウムと学術変革領域「多細胞生命自律性」の班会議があり、大学院生の前田さんがベストプレゼンテーション賞を受賞しました。
  • 2022.2.19
    佐々木研のマウス飼育室を担当していただいてきた三山さんが退職の挨拶に来られました。長い間研究を支えて下さりありがとうございました。
  • 2022.2.10
    大学院生の増井君、由良さんが中間評価論文公聴会で発表しました。
  • 2021.12.21
    研究室の大掃除を行いました。コロナ対策のため今年も忘年会はありません。1年お疲れさまでした。

大学院生募集中

初期胚発生研究室では、私たちと一緒に発生が正確であるしくみを明らかにする意欲のある大学院生を募集しています。

  • 脊椎動物の発生に興味がある人
  • Hippo シグナルや細胞競合等の細胞間コミュニケーションに興味がある人

を求めています。
個体レベルと細胞レベルでの研究を行っており、大学での専門分野は問いません。

研究室の見学は随時受け付けています。
メールにて問い合わせてください。

連絡先
大阪大学大学院 生命機能研究科
初期胚発生研究室〔佐々木研究室)
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-3
sasaki.hiroshi.fbsosaka-u.ac.jp