大阪大学大学院 生命機能研究科 個体機能学講座
発生が正確であるしくみを細胞間のコミュニケーションから理解する

研究概要

私たちは、体が正確に作られる仕組みを研究しています。正確であることは、発生の非常に重要な特徴です。発生が正確に行われないと発生の停止(流産)、先天性の奇形などの異常や疾患につながります。発生過程では細胞が分裂、分化、死、移動等のダイナミックな変化を行いながら、細胞が集まって臓器や体の複雑な構造を正しく作り上げてゆきますが、発生中の胚内の個々の細胞を見ると、そのふるまいや状態には大きなばらつきがあります。このようにばらつきのある細胞が、どのようにして集団として正確に体を作ることができるのでしょうか?

発生が正確に行われるためには、細胞間のコミュニケーションが重要な役割をしています。細胞は周囲の状況や隣接する細胞の状態を理解して、自分自身のふるまいを調節したり隣接細胞のふるまいを調節することで、全体として調和のとれた体をつくり上げてゆきます。私たちは、このようなコミュニケーションのしくみや役割の研究を通して、発生の正確性を可能にするしくみを明らかにすることを目指しています。そのため、マウスの初期胚や培養細胞を主な研究対象として、Hippo シグナルや細胞競合等の細胞間コミュニケーション機構に注目して、そのしくみや役割を明らかにする研究を行っています。

キーワード

  • マウス
  • 発生
  • 細胞間コミュニケーション
  • Hippo シグナル
  • 細胞競合

ニュース

  • 2025.12.9
    NHKエデュケーショナルさんが着床前胚の細胞競合について取材に来られました。細胞競合について紹介するサイエンスZERO(2026年2月15日)の中で紹介される予定です。
  • 2025.12.3〜5
    大学院生の柴田さんと廣野君が、第48回日本分子生物学会年会(パシフィコ横浜)で最新の研究成果についてポスター発表しました。
  • 2025.9.16〜17
    大学院生の廣野君が、第5回多細胞生命自律性領域班会議(東京)でポスター発表し、Poster presentation Awardを受賞しました。
  • 2025.9.8〜11
    大学院生の廣野君が、7th International Workshop on SOX transcription Factors (SOX2025) (軽井沢)でSOX2によるHippoシグナルへの応答制御機構についてポスター発表し、Young Investigator Awardを受賞しました。
  • 2025.7.16〜18
    大学院生の廣野君が、第77回日本細胞生物学会・第58回日本発生生物学会合同大会(名古屋)でSOX2によるHippoシグナルへの応答制御機構についてポスター発表し、Best Student Poster Presentation Awardを受賞しました。
  • 2025.5.28
    三上君と福山君の歓迎会をしました。活躍を期待しています。
  • 2025.4.15
    フランスClermont Auvergne大学のClaire Chazaud博士が来訪され、FBSセミナー “Emergence of the pluripotent epiblast in early mammalian development” をしていただきました。
  • 2025.4.4
    基礎工学部の三上君と福山君が卒研生として研究室に配属されました。佐々木研へようこそ。
  • 2025.3.27
    横島さんの送別会をしました。社会人としての活躍を期待しています。
  • 2025.3.25
    学位記授与式があり、横島さんが修士号を授与されました。おめでとう。