光の性質,その3

・屈折率

屈折率とは何でしょう?
それは,
 媒質中の光速に対する真空中の光速の比
と考えてもらえばいいと思います(難しい話は置いておいて).
つまり,光の速度は,ものの中を通過する場合に,遅くなるのです.

上の図で示したように,光がガラスに通過する際,その速度が低下します.
その度合いが,屈折率,なのです.
柄の場合には,約1.5,となります.
では,いくつかの物質の屈折率を見てみましょう.

空気 1.000
   
1.333
エタノール 1.36
   
ガラス(BK7) 1.51-1.53
合成石英 1.46-1.47
   
Polystyrene 1.59

この程度でいいでしょう.
この値はあくまで可視光での値です,波長,温度によって変化します.
石英ガラスは波長によってだいぶ変化するようですね(200nmで1.54,1000nmで1.45).

・スネルの法則

これは皆さん,よくご存じでしょう.
二つの異なる屈折率を通過する光の進行方向が変化するもの.

その関係式は,

となります.
さて,どうしてこのようなことが起きるのでしょう?
きちんと,光学を駆使して,考えることはもちろんできます(たぶん).
しかし,ここは生物物理,概念で理解すればいいのです.
そこで,以下のようなモデルを考えましょう.

ある人が,A地点からB地点に向かう場合,どの経路を取れば一番早く着くか,と言う問題.
ここで,川を通過する際には,歩む速度が遅くなる,ということにしましょう.
最短距離はもちろん,図の緑の経路
しかし,これでは川を横切る距離が長くなってしまいます.
では,できるだけ川を横切らない経路は....青い経路
しかし,これではかなりの距離となります.
結論は,赤い経路,移動距離も比較的少なめで,川を横切る距離も比較的少なめな経路が一番早く着くのです.
光の屈折もこのように考えてもらえればいいと思います,光が最短時間でつきたいと思うかはわかりませんが...

ここでおもしろいのは,屈折率の高い媒体から低い媒体へ光が進む場合,

ある角度で光が通過できなくなります.
  ガラス(n=1.52)と空気(1.000)の場合,42度
  水(n=1.33)と空気(1.000)の場合,49度

となるのです.
まるでガラスのように....このことを,全反射,と言います.

実感するに一番いい例が,
 お風呂の中での時計の文字盤
です.
ちょうど上の図をしたから覗いた場合を考えてください.
水色の部分がお湯,白い部分が時計の中の空気,と思ってください.
時計を斜めにしていくと,急に時計の表面が銀色になることがわかります.
もちろん....防水の時計で実行してくださいね.

この屈折の原理を応用したのが,レンズ,なのです.

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