水溶液中のポリスチレンビーズの分布
水溶液中なので,浮力が働きます.
ですので,実効質量を考えなくてはなりません.
\(\Large  \begin{align*} m' &= m - V \rho_{0} \\
&=  V \rho - V \rho_{0} \\
&= \frac{4}{3} \pi r^{3} (\rho -  \rho_{0})  \end{align*} \)
 m:物体の質量
 m':物体の実効質量
 V:物体の体積
 ρ:物体の密度
 r:物体の半径
 ρ0:溶媒の密度
です.
ビーズの分布も重力に依存しますので,底面との比較では,
\(\Large E = m' g h \)
\(\Large \frac{P_{i}}{P_{j}} = e^{- \frac{E_{i} - E_{j}}{k_{B} T}} \)
\(\Large \frac{P_{h}}{P_{0}} = e^{- \frac{m' g h}{k_{B} T}} \)
となります.ここで,
 Ph:高さ,h,での確率
 P0:地面での確率
 m':質量
 g:重力加速度
 h:高さ
となります.
ここで,
 ρ:水の密度(1 g/cm3=103 kg/m3) 
 ρ0::ビーズの密度(1.05 g/cm3=1.05×103 kg/m3) 
として計算すると,底面に比べて,ビーズの量が半分になるのは,
\(\Large  \begin{align*} h &= - ln \frac{1}{2} \cdot  \frac{k_{B} T}{m' g} \\
  &= 
  (-0.693) \frac{k_{B} T}{g} \frac{3}{ 4 \pi r^{3} ( \rho_{0} - \rho)} \\
&=  -(-0.693) \frac{4.14 \times 10^{-21} [Nm]}{10 [m/s^{2}} \frac{3}{4 \pi r^{3} [m^{3}] \cdot 0.05 \times 10^{3} [kg/m^{3}]}  \end{align*} \)
と言う計算をすればよいこととなります.式を見ればわかるように,ビーズの半径,r,に依存しますので,いろいろな径のビーズを考えると,
| ビーズの半径 | 半分になる高さ | 
| 0.1 um | 1.37 mm | 
| 0.5 um | 11 um | 
| 1 um | 1.37 um | 
と普段よく使うビーズでも大きく変わることがわかりますね.