さて,前々ページに試料を通過した光線の位相のずれの様子をお示ししました.
しかし,この図は誇張したものです.
実際に生体試料は小さいものですし,屈折率もそれほど外部環境(水..)とは変わりありません.
ですので,それほど位相はずれないのです(ずれてはいるのですが).
実際に誇張を押さえて表示し直すと,
この程度となります.
この図を見るとわかるように,分割して,緑色の位相の遅れのある光線は,
とても小さい
ほぼ90度の位相のずれ
であることがわかります.
つまり,
90度の位相をずらすことができたら,
位相差顕微鏡の完成なのです.
では,どのようにして90度,位相をずらすのでしょう?
これは,詳しいことは省きますが,
硫化亜鉛膜
を蒸着したフィルターを通すことにより,
波長の4分の1
だけ,位相をずらすことができます.
波長の1/4なので,1/4λ板,と呼びます.
つまり,90度,ですね.
つまり,
位相遅れのある光線のみを1/4λ板を通す
光学系を作ればいいのです.
次のページにその光学系を示します.