菌体内ナトリウム濃度の測定,その5

次に,358ページ,右段の,
 RESULTS, Fluorescence Intensity measurements
を読み解きましょう.

ここは,結構ごちゃごちゃしていますが,わかると非常に単純なアルゴリズムです.
ただ,記号が多く,しかも一部の記号の定義がなされていない,という問題があります.

さて,この論文の核となる,
 蛍光強度,F
を彼は以下の式で表しています.

ここで,記号が一杯,
 I, Ibg, Tcell
ですね..
これは,
 領域(蛍光強度がTcell以上のもの)の蛍光強度から,背景光の強度,Ibg ,を引いたものの平均を,蛍光強度,F,とする
と言うものです.

実際の画像を論文から引用しましょう.

                            Lo et. al., 2006, BJより

Bが実際の画像で,斜めの白枠の部分が計測場所になります.
疑似カラー表示で,白→黄→赤→緑→水色→青→黒,と強度が変化するようですね.
この強度変化を,C,のように三つの領域に分けます.
白:background region 背景領域
赤:marginal region 境界領域
黄:cell area 細胞領域

とし,赤と黄の境界を,Tcell,としています.
つまり,黄色領域の平均を取っています.

実際の強度分布は同じ図の,E,にあります.

                         Lo et. al., 2006, BJより

この黄色の領域の平均を取っていることになります.

ここで一番重要なのは,
 Tcellをどう取るか
と言う点になります.
この点を,次ページで説明しましょう.

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