回折-34

ナイフエッジからの回折-34

 

ナイフエッジからの回折の強度分布は,

\(\Large \begin{eqnarray} I(X)
&=& | u(x) |^2
&=& \left[ C \left( \sqrt{ \frac{2}{ \lambda R}} X \right) + \frac{1}{2} \right] ^2 +i \left[ S \left( \sqrt{ \frac{2}{ \lambda R}} X \right) + \frac{1}{2} \right]^2 \\
\end{eqnarray} \)

となります.実際の波形は,

となります.

これはあくまで近似式であって,

\(\Large R >>x, X \)

の場合のみに成り立つ関係式ですね.

Rをどんどん小さくしていくとどう変化していくか,シミュレートしてみました.

シミュレーションと言っても,PC上で,ひたすら,
 ナイフエッジから有限の範囲を細かく刻んで波を発生させる(無限が理想ですが...)
 さまざまな位相(360度を1,000分割)の波を発生させる
 スクリーンのある範囲を細かく区切って,各点での波の合成を計算する

です.

その結果,

となりました.条件は,
 ナイフエッジとスクリーンの距離: 0.1 mm
 波長 :             500 nm
 ナイフエッジでの波の発生範囲 : 0~10 mm (10-4 mm 刻み)
 スクリーン :          -10~20 mm (10-3 mm 刻み

です.このように,なめらかな波形ではなくなりましたが,ほぼ同じ波形となることがわかります.

ナイフエッジとスクリーンの距離が0.1 mmというのは,波長, 500 nm, に比べたら長いですが,それでも大体再現できるとは驚きですね.

 

l t r