アロステリックモデル再考-04
つぎに,さて,アロステリックモデルに関して計算を解いて,確かにS字型のカーブを再現することができました.
しかし,
どこに協同性があるのだろう?
という疑問がわきました.
今までの計算は,基質Sが複数の結合サイトを持つ分子に結合・解離をするものであり,どこにも協同性,は含まれていません.
が...Lを変化させていみると,
\( \Large L= \frac{T_0}{R_0} \)
Lが小さい時(ここではL=1,000,青)ではS字型にはならず,一般的な二状態の平衡反応となります.
Lが大きくなると(ここでは,L=10,000,赤)ではS字型となります.
つまり,TとRという2状態が重要で,殆どがT状態(基質が結合できない状態)の場合に,アロステリック効果が出ることになります.
逆に,Rが殆どの場合には,単純な結合・解離,のモデルとなり,アロステリック効果はなくなるのでは,と思います.
ある意味での,逐次反応ですね.
”こんなことは当然でしょ!”と言われるかもしれませんが...この年になって,やっと理解できました.
次のページに,MWCモデルに関して,考えていきましょう.