2次元ガウシアン画像のフィッティング方法-03

加算におけるピーク値の求め方

 

加算像からピーク値を求める前に,まず正規分布のおさらいから始めます.

一次元正規分布は,

\( \Large P(x)= \frac{1}{\sqrt{2 \pi} \sigma^2} Exp \left( - \frac{x^2}{2 \sigma_x^2} \right) \)

となります(簡単のため,x0=0,Base=0, としてあります).

規格化してあるので,

\( \Large P(x)= \displaystyle \int_{- \infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2 \pi} \sigma} Exp \left( - \frac{x^2}{2 \sigma_x^2} \right) dx =1 \)

となります.

今回,フィットした関数は,

\( \Large A_0 Exp \left( - \frac{x^2}{2 \sigma_x^2} \right) \)

です.

 

さて,今回フィットした値でのピーク値は,実は,以下の図の赤点の加算値となります.

つまり,
 Xの加算像なら,Yの分布の積分値
 Yの加算像なら,Xの分布の積分値
となるわけです.つまり,

\( \Large Peak Value = \displaystyle \int_{- \infty}^{\infty} A_{0x} Exp \left( - \frac{y^2}{2 \sigma_y^2} \right) dy \)

となります.したがって,

\( \Large \begin{eqnarray} \displaystyle \int_{- \infty}^{\infty} A_{0x} Exp \left( - \frac{y^2}{2 \sigma_y^2} \right) dy
&=& A_{0x} \sqrt{2 \pi} \sigma_y \int_{- \infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2 \pi} \sigma_y^2} Exp \left( - \frac{y^2}{2 \sigma_y^2} \right) dy \\
&=& A_{0x} \sqrt{2 \pi} \sigma_y \\
\end{eqnarray} \)

となりますので,

\( \Large \displaystyle A_{0x} = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}}\frac{Peak Value_x}{ \sigma_y} \)

となります.

\( \Large \sqrt{2 \pi} \simeq 2.5 \)

なので,大体,2/5,倍となります.

注意すべき点は,

 XとYとをたすき掛けにして割る

ことです.

実際に確かめてみましょう.XYの偏差を異なる値で作ってみました.

 

書記パラメータ,解析結果は,

係数 初期設定 フィッティング
A0y 1 10.13
y0 20 20.01
dy 2 1.96
Base_x 0 0.09
A0x 1 5.33
x0 15 14.99
dx 4 3.82
Base_y 0 0.04
Noize 0.1  

となり,XとYとでピークの値が異なることが分かります.

上の計算を行ってみると,

\( \Large \displaystyle A_{0x} = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}}\frac{5.33}{ 1.96}=1.08 \)

\( \Large \displaystyle A_{0y} = \frac{1}{\sqrt{2 \pi}}\frac{10.13}{3.82}=1.06 \)

と初期値である1とよく一致していることが分かります.

このように,一見単純で雑なように見える加算方式ですが,きちんと元データを繁栄していることが分かります.

 

次のページに,新しい(?)フィッティング方法について示します.

 

ltr