電動歯ブラシの振動数のチェック-01
歯ブラシ付き
電動歯ブラシの振動数のチェックを行ってみました.
電動歯ブラシを使い続けて,約30年,いままで振動数など気にもしていませんでしたが,今まで使っていた機種の電池が寿命を迎え,新しい機種を見当している際に,その性能を評価する上での振動数に着目しました.
元々,研究でも高速度カメラを使っていることもあり,高速度撮影には興味があります.
今までにも,スリンキー,ミルククラウンなどいろいろ試してきました.
機種:
ドルツ EW-DL34
2019年1月購入
ブラウン オーラルB プラックコントロール
2021年1月購入
撮影:
ソニー RX100V (960fps)
960fpsが正確かどうかは,時計(ストップウォッチ)を撮影して確認済です.
まずは,動画から
このように,
ドルツ:上下振動
ブラウン:回転(約40度)
と方式が異なり,各企業のポリシーが異なることが分かりますね.
どちらが効果的か私には分かりませんが,
ドルツ:従来の歯磨きのような磨き方
ブラウン:歯の表面を磨き上げるような磨き方
の違いがあるような気がします.
また,機構的に考えると,
ドルツ:往復運動がそのまま歯ブラシの運動となる
ブラウン:モーターの回転方向の振幅を90度変換し,ブラシを回転(約40度)させている
違いあり,このことからもドルツの替えブラシが比較的安価で,ブラウンのものが比較的高価なことが分かります.
振動数
さて,実際の振動数ですが,結果をまとめると,
・ドルツ(毎分約31,000ブラシストローク)
振動数:120 Hz (毎分7,200回)
振幅(Pk-Pk) : 約0.68 mm
・ブラウン (毎分約48,800回)
振動数:76 Hz (毎分4,500回)
回転角:約40度
となりました. 公称とは大分違う結果に...
ドルツは購入して2年もたつので,そのせいか?? ブラウンは,そもそも毎分約48,800回が誤植なのか
波形
実際の波形を解析する上で結構苦労しました,というのもmp4形式で保存されていたのですが,そのままでは,ImageJで読み込んでくれず,プラグインもうまく動きませんでした.
そこで,
Adobe Premiererでmp4ファイルを読み込む
連続Tiffで保存
連続TiffをImageJで読み込み
可動部分をクロップ,グレースケール
対象部分の平均値の変化を解析(3,000フレーム,マクロで自動化)
Resultをcsvで保存
エクセルで読み込み,平均値のみを抽出,テキストで保存
Labviewで作ったプログラムで解析
という面倒な手順で作成しました.
実際の波形は,
・ドルツ
実波形
スペクトル
・ブラウン
実波形
スペクトル
となっています.
プラウンのスペクトルに150Hzあたりのピークがあるのは,波形自体がそれほど美しくないので,倍波が出たのではと思います.