このように,波形をウィンドウに分割して,それぞれをフーリエ変換します.
そして,これらフーリエ変化した波形を加算平均するのです.
しかし,実際には,もう少し細かく行っています.
このように,ウィンドウを半分ずつずらして,それぞれについてフーリエ変換を行い,加算平均を行っています.
この理由は,前ページにあった,窓関数に由来するものです.
窓関数は,端のデータの振幅を小さくしています.
従って,端の情報は中央の情報に比べて,重みが低くなってしまいます.
加算平均のウィンドウを半分ずつずらすことにより,できるだけ均等に重み付けしよう,というのが目的です.
しかし,この手法はあくまで私の経験値であって,理論的に正しいかどうかはわかりません.
では,実際の加算平均の効果を見てみましょう.
まずは加算平均していない波形でのフーリエ変換.
前ページに示したのと一緒です.
次に,10回加算平均をかけたものです.
このように,100,200Hzのところにきれいなピークが浮かび上がってきました.
さらに,ベースラインがとてもきれいになり,この値から本来のノイズ成分の大きさを得ることができます.
簡単なプログラムを用意しましたので,遊んでみてください.
正弦波1,正弦波2,ノイズ
を適当に設定し,
回数
が加算平均の回数です.
フーリエ変換の長さ
は加算平均のウィンドウの大きさです.
ダウンロードは下のファイルを.
FFT-average.vi
次に,いくつかのフーリエ変換の注意点を.