生物物理学にはなかなかよい教科書がありません.
もちろん,生化学,分子生物学,生物学一般の本は多数ありますが,生物物理学,というとなかなか...
それは,考えるに,
生物物理学を理解する上での系統的な体型が整っていない
そもそも,非常に広範囲の分野,生物,物理,数学,化学にまたがるので不可能
などの考えがあります.
生物物理学は暗記物ではないので,アミノ酸20種類を暗記できたからといって,役立つものではありません.
それを踏まえて...参考図書を列挙していきたいと思います.
石島研関連もリストアップします.
皆さんご存じの有名な本ですね.
著者は,Howard Berg,ハーバード大学のバクテリアべん毛モーター,走化性の大御所です.
この書は,おもに拡散運動について書かれています.
結構薄い書(日本語版で144ページ)なのですが,結構深い書です.
ただ.....賢い方が書かれたので,数式の導出が結構簡略化されているのです...
数学が得意な方はまあ理解できるのですが...そうでない方はなかなかついて行けない...
一部ですが,式の展開の補足,をアップしています.
米沢 富美子先生の著です.
これも薄い本ですが,中身がぎっしり詰まっています.
大沢文夫先生の著です.
大沢先生は日本の生物物理学の元を作ったと言っても過言ではない方です.
学問の本,というより,大沢先生が歩まれてきた歴史が描かれています.
ちなみに...私の名前もちょこっと載っています...
木下是雄先生の著となる,とても有名な本ですね.
生物物理学に限らず,理科系の方全員に読んでもらいたい著書です.
ちなみに,ご子息は生物物理学で有名な木下一彦先生です(故人).
八鹿 寛二の著ですが,私はこれを元に光学を勉強しました.
幾何光学がメインですが,生物学に必要な顕微鏡の知識が詰め込まれています.
ただ,古い本なので,現在入手が困難です.
2005年に曽和さんと行ったバクテリアべん毛モーターの素過程の計測に関する解説です.
・ナトリウム駆動型キメラべん毛モーターのトルク―スピード関係
2008年に井上さんと行ったべん毛モーターの計測に関する解説です.
2011年に福岡,寺澤さんと行ったバクテリア走化性に関する解説です.
現在の研究室の基礎となっている複数の回転の同時計測はここからスタートしました.