SEARCH

PAGETOP

FBSコロキウム 332回がん生物学研究室

講演

腸内細菌によるB細胞の細胞老化誘導が加齢に伴う腸内細菌叢の変化につながる

河本 新平[がん生物学研究室・助教]

日時 2023年7月11日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

河本新平(助教)
E-mail:kshimpei[at]biken.osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-4261

腸内細菌によるB細胞の細胞老化誘導が加齢に伴う腸内細菌叢の変化につながる

組織機能の低下を特徴とした老化現象は生活の質の低下や死につながることから、老化のメカニズムの解明とその制御方法の確立は喫緊の課題である。近年、老化に関わる要因として2つの因子、すなわち老化細胞の蓄積と腸内細菌叢の変化が老化に重要な役割を果たすと考えられている。しかし、これらの現象が加齢に伴ってどのように生じ、どのような関連性があるのかについてはほとんど知られていない。今回我々は、腸内細菌の持続的な刺激により、腸の胚中心B細胞に細胞老化が誘導されることを明らかにした。さらに、B細胞の細胞老化誘導により、腸内細菌を標的とする免疫グロブリンA(IgA)抗体の産生および多様性を低下させ、それによって加齢マウスの腸内細菌叢の組成を変化させていることを見出した。これらの結果は、腸内細菌叢と細胞老化の間にIgAを介した相互作用が存在することを明らかにし、加齢に伴う腸内細菌叢の変化のメカニズムの解明につながるとともに、その制御の可能性を拓くものである。

PAGETOP