受 精後に開始 される発生と分化は、実に見事に調節されたダイナミックな生命システムの姿を見せてくれるが、その過程でどのような生体分子間の信号伝達ネットワークが時 々刻々形成されているか、その全貌を明らかにするのは容易なことではないが、どういった戦略を取り得るか? |
【回答】
★グループ8 **************************************************************************************
発生と分化は様々な成長因子及びシグナルのネットワーク
これを理解するには、
・網羅的解析
各時期・組織で発現している遺伝子・タンパク質を調べる。 (マイクロアレイ、定量的解析)
↓
タンパク質間の相互作用を調べる。 (FRET)
↓
相互作用の順序を調べる。 (ノックアウト、GFPトランスジェニック)
・さらに簡潔に、かつ詳細を知るには実際に見てみる。
極低温電子顕微鏡…いまはまだ分解能が低く、分子間を見られるかわからない。
★グループ9 **************************************************************************************
・zebrafishでimagingをする。
受精から観察可能、組み合わせを変えてimaging(3〜5つ)
・分化発生に必要な最小ゲノムセットを作る → 遺伝子を足したり、引いたり…
・ES cellから分化の過程を追う。
問題点 : 組織間の同調は見られない。
受精卵からの発生分化をミミックしているか?
★グループ10 *************************************************************************************
問題は2つの解釈が可能
1 : 発生・分化に関して、生体がとる戦略にどのようなものがあり うるか?
2 : どうやったら発生・分化の全貌を明らかに出来るか
→とりあえず2を意図しているものとした
解答としては、
・各時期における全体の遺伝子の発現レベルをしらべてクラス 分けを行う。
たぶんこれはできそう(濱田研高岡)
→ じゃあ、つまらないのでこれは忘れよう
そこで話題をかえる
各個人ならこの問題にどう取り組むか
・ モデルシミュレーション
・ 共通の、根本的な法則性をみつける
・ 1分子単位でkeyになるものをさがす
→これらができたとして機能の説明はつくのか?全貌を知ったと 言えるか?
Question 1 : そもそも全貌って何だ?
時計を例にする。
目の前にある時計、これの全貌を明らかにするには?
・ 同じように動くものをつくることができれば、作ったものと同 じようなsystemをとりうるといえるのでは。
→それは全貌がわかったといえるのか?可能性でしかないので は。
・ では分解して組み直そう
→そもそも部品を組み合わせただけで、動作原理も理解しないと 全貌とはいえない。
→機能単位で細かく調べれば動作原理を調べることができるか も。
・ 一度理解してから、予想と実際の照らし合わせを行う。
→機能単位がなかったらどうか。どの一部分もないと全体が動か ないような構造だったら?
→機能単位でわけられないようなら無理だ。
・ とりあえず機能単位でわけられると仮定。
→実際の生体を考えたら、一見ムダな機能も多いはず
→他がなくなったとき等に補う機能があるかも。通常わからな い。
→このようなムダな機能はどうやったらわかる?
・ そこまで見る必要あるのか?本質的ではないのでは
→しかし全貌を明らかにするには、と問われている。
→まずは本質を知ろう
Answer 1 : 本質 + (一見)ムダ = 全貌
Question 2 : 発生・分化の本質とは?
様々な機能があるが、その中でも「幹(=本質の中の本質)」をしることから。枝葉はその後にしよう。
・ 幹は何だ?
分化と未分化の繰り返し
2つの性質を持つこと
もどらないこと
(性質が)かわること
★何がかわれば分化と呼べるのか?
Answer 2 : なし。時間がなかったので以下へ
Question 3 : 結局どうしたらいいの?
・ 数をこなす、モデル、組み立てる、などなど
発生・分化はいろいろなnetwork、interactionがからみあっている
→ミクロなひとつひとつをマクロにみてやれば?
→ひとつひとつをみていくのはむずかしいが、結局力技。
要素単位に落と して、分子全部の関係を明らかにしよう
その上で、機能 単位、性質の組み合わせを調べていこう
・ characterがわかっただけではだめ。
どういう因子があるか、だけではなく、それらがどのような機 構をもっているのか。
例えば力学的なinteractionまでわからないと気持ち悪い。わかった気がしない。
Answer 3 : 急がば回れ
1. 1分子計測を用いてdirectに個々の分子を調べてやる
2. フローサイトメーターと1分子計測を組み合わせ、多量な分子 を同時計測
3. バイオインフォマティクスによる得られた多量なデータを元に シミュレーション
課題 : 細胞外とのinteractionはどう調べる?
★グループ11 *************************************************************************************
生物の発生・分化にともない細胞の状態が変わるといわれてい る。
“どのくらい違うのか?” “なぜ違ってく るのか?”は分からない。
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・ 実験的手法を用いた細胞状態を定量的に比較解析する
・ シュミレーションにより重要な本質を探る。
この2面よりアプローチする。
1 . 各発生段階にお ける各細胞の状態を1細胞レベルで網羅的に定量解析する。
ex トランスクリプ トーム(ジーンチップ)、プロテオーム(2D gel electrophoresis)、メタボローム(各種クロマトグラフィー)
ここで得られた結果を時空間的に異なった細胞間同様と思われ る細胞間で比較し、相関をとることで、どれくらい異なっているかを定量的に解析する。
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他 に
移植実験による
定 性解析
2 . 入力情報と出力 との対応関係を列挙する
3 . プログラム作成 及びシュミレーション
ex. sox2が発現している細胞でCa2+が上昇すると神経突起が 伸びる
DNAポリメレースを発現して いない細胞でCa2+が上昇すると細胞が死ぬ
などの例を文献的、実験 的あるいは過程として考えに入れる。
4 . 1と3の対応を調べる。
実験的検証とシュミレーション…ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、微量細胞内 注入などにより初期条件を人為的に操作し、出力を見る(モデルとの整合性)