大阪大学大学院 医学系研究科 病理学 幹細胞病理学/大阪大学大学院 生命機能研究科 時空生物学 病因解析学
Department of Pathology, Medical School and Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University

はじめに

HOME > はじめに Contents

はじめに

我々の体は、およそ200種類の細胞からできています。たった一個の受精卵から多くの種類の細胞が分化して個体が正しく作り上げられていく、という現象は、ほんとうに不思議です。細胞分化のマスター遺伝子があるのではないか、あるいは、細胞分化には原理的なルールがあるのではないか、と考えられたこともありましたが、細胞分化というのは、そのように「一筋縄ではいかない」もののようです。

血液細胞の分化から研究をはじめ、幹細胞の研究に深く携わってきました。一個の造血幹細胞から、たかだか10種類程度の血液細胞への分化の過程だけを見ても、その分子メカニズムは極めて複雑であり、すべてを誰もが「わかった」と納得できるのは極めて困難、というよりは、全く不可能ではないか、と思えるほどです。

血液細胞というのが比較的寿命が短い細胞であるのに対して、生殖細胞は遺伝情報を世代から世代へと伝えていく細胞であり、そのライフサイクルはダイナミックな遺伝子発現制御の変化を伴います。私たちの研究室では、生殖細胞と初期胚、という、遺伝情報の伝達と個体形成において極めて重要、かつ、生物学的に興味ある細胞をテーマに、エピジェネティック制御、特にDNAメチル化制御についての研究を展開しています。

科学のフロンティアは、研究を志すすべての人に対して平等に開かれています。非常にホットなトピックスについての研究で競争も激しい分野ですが、新鮮なアイデアを常に抱きながら、決して楽なことではないけれども、仲間といっしょに科学を楽しんでいければと考えています。

教授 仲野 徹
Follow me on Twitter

HONZ

略歴

1957年 大阪生まれ 教授 仲野 徹
1975年 大阪府立大手前高等学校卒業
1981年 大阪大学医学部医学科卒業
1984年 大阪大学医学部助手 (北村幸彦教授)
1989年 ヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)
客員研究員 (Thomas Graf 教授)
1990年 京都大学医学部助手 (本庶 佑教授)
1991年 京都大学医学部講師
1995年 大阪大学微生物病研究所 教授
遺伝子動態研究分野
2004年 大阪大学大学院 教授
生命機能研究科 時空生物学
医学系研究科 病理学
ページの先頭へ