トラップされる理由

なぜ,集光した光が粒子を捕捉することができるか,を粒子の径が波長より大きい場合について簡単に説明しましょう.
集光した光が粒子を通過する際に,粒子があたかもレンズの役割を果たし,レーザー光は屈折します(a)
屈折による光の運動量の変化が粒子をレーザー光の集光点に引きつける力となります.
もし,外力などによりトラップされた粒子が集光点から離れようとすると,光の屈折方向が変化し,集光点に戻そうとする力が働くのです(b)
つまり,バネのように働くのです.

実際の粒子の捕捉点は,光ピンセットによる力と光の輻射圧とのバランスで決定されます.
従って,捕捉点は,集光点よりも若干レンズから離れたところとなりますが,それほど大きく変わらないので,対物レンズを使った光ピンセットの捕捉点はそのまま対物レンズによる観察点となるのです(c)

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