当研究室では,どのような人が適しているか,と言うと,

 自分で考え、
 自分で実行し、
 自分でその結果を考察し,
 自分でまとめ上げる

のような人材を養うことを目標にしています.

ですので,指導教官から、
 このテーマをやりなさい
 この実験装置を使いなさい
 この解析手法を用いなさい

など,ある意味でのルーチンワークは行いません.
もちろん,最初からほったらかすわけではありません.
当研究室の研究目的に沿った研究テーマをお互いに考えていきましょう.

各分野の出身の方,それぞれに対する当研究室の位置づけに関しても,お示ししていますので,参考にしてみてください.
 生物系出身の学生
 化学系出身の学生
 工学系出身の学生

昨今の実験機械はどんどん高度化し,複雑化しています.
単にサンプルをセットし,スイッチを押すだけで,データが印刷されてくる装置も珍しくありません.
そうなると,我々はその中でどのようなことが行われているかを理解することは非常に困難になります.
そのような,ブラックボックスをできるだけ避けるため,できるだけ実験装置を理解するためにも,装置の改造を進めています.
サンプルもできるだけ外注せずに,自分たちで作成していきたいと思います.

だからといって,最初から高度な知識,能力を求めてはいません.
ただ一つ言えることは,
   実験が好き
な人が適しています.
手も動かさずに,無理だ,と思う方はしんどいかも知れません.

では,各出身分野の方にとって,当研究室において,どのように活躍できるかを考えていきましょう.

・生物系の学生

生物系の分野の出身の学生さんは,細胞,生化学,遺伝子工学などさまざまな分野を研究されてきたと思います.
その経験,知識,は当研究室においても非常に役に立つものです.
当研究室でも,
 実験材料の作成(アクチン,ミオシン,バクテリアなどなど)
 遺伝子操作
 化学修飾,蛍光ラベル

などを行っています.

植物ミオシンを採取するためにも,車軸藻を研究室内で育成しています.
温度や,土壌の問題でなかなかうまく育成できなかったのですが,最近では安定して成長しているようです.
抽出,精製したタンパク質を電気泳動にかけたり,蛍光標識するための作業,分光測定も行っています.
さらには,大腸菌を使っての,遺伝子組み換え,プラスミドの作成,なども行っています.

ただ,私個人の印象としては,生物系出身の方は,
 物理,数学,統計力学
など,数学的なトレーニングをあまり受けていない気がします.
自分の実験結果を,定性的にではなく,定量的に評価する上でも,最低限の知識,経験があると,非常に強力なツールとなります.
もちろん,これらを理解していないと、研究できない,と言うものではありません.
研究室に入ってから十分に取得できるものです.
あるとうれしい学問としては,
 光学(高校三年生程度)
 基礎物理学(運動方程式程度)
 数学(微分方程式程度)
 統計力学(ポアソン過程程度)
 熱力学(エントロピー、エンタルピー程度)

などで(具体的な研究内容はこちら)しょうか.

トップに戻る

・化学系の学生

化学系の分野の出身の学生さんは,化学合成,有機,無機化学などさまざまな分野を研究されてきたと思います.
もちろん!その経験,知識,は当研究室においても非常に役に立つものです.
当研究室でも,先に述べたように,
 化学修飾,蛍光ラベル
などを行っています.
顕微鏡において,主流となるのが蛍光顕微鏡です.
そのため,いかに目的にあった蛍光色素を使うか,が非常に重要になっています.
そこで,化学系の知識が役に立ちます.

ただ,化学系の方は,
 生もの
に関しては,それほど身近ではない印象があります.
どちらかというと,泥臭い感じ...
今から,”細胞の分子生物学”を読破しろ,と言ってもほとんど意味がありません.
基礎的なところと,我々の研究分野のところを理解するだけで十分です.
あとは,生物系の学生,の項でもお示ししましたように,物理,数学,統計力学,を研究室の配属されてからでも十分ですので,学んでいきましょう.

トップに戻る

・工学系の学生

工学系の分野の出身の学生さんは,かなり,物理,数学,などを学ばれてきたと思います.
これら知識は,生物の研究にとっても非常に重要なツールとなります.
特に,統計力学,熱力学などは,強力な武器となります.
当研究室では光学顕微鏡がメインのツールなので,光学的知識,さらには,顕微鏡を改造する際には,工作などもしなければなりません.
きちんとした図面を作る必要はありませんが,少なくとも,工作室の人にわかってもらう図面を作ることができれば,スムーズにことが進むでしょう.
また,ちょっとした工作(穴あけ,ねじ切りなど)も自分でできると,思った実験装置を作り出すことができます.

しかし,工学系の方たちは,堅いものには強くても,柔らかいものに対する勉強はそれほどメインではなかったかな?と思います.
もちろん,ソフトマテリアルという研究分野もありますが..
たとえば,生物系の人は拡散現象は強くても,ヤング率などはなじみが薄い,工学系の人はその逆,等々...
ですので,生もの,などを研究室に配属になってから,勉強していけばいいのでは,と思います.

トップに戻る

当研究室の連絡先は,
電話:022-217-5802
E-mail:ishijima@tagen.tohoku.ac.jp
(@は大文字ですので,小文字に直して使用してください)
です.
ぜひ,気楽に連絡ください.

戻る