生物物理学とはどんな学問なのでしょう?
詳しくは,日本生物物理学会HPを見ていただけるといいのですが,簡単に言うと,
物理の手法と生物科学との融合により生命現象を明らかにする
学問です.
生命科学の研究手法はさまざまなものがあります.
Yahoo,Googleなどで検索してみてください.
たとえば...
海洋生物学,細胞生物学,発生生物学,微生物学,分子生物学,生化学,地球外生物...
などなど非常に広範囲であることがわかります.
その中で,生物物理学,は上に述べたように,物理の手法を利用する,ところに特徴があります.
物理?と言っただけで敬遠してしまう人もいるでしょうが,確かに,難しい物理学もあります,量子力学...
しかし,生命現象を理解する上ではそれほど難しい物理学は必要ありません.
たとえば...ものとものとの間に引力が働くとしましょう...リンゴが木から落ちる,というのはリンゴと地球との間の引力ですね.
同じことが,生体分子と生体分子,もしくは分子の間にも働きます.
齋藤研究室で研究されているようなヘモグロビン,皆さんよくご存じですね.
血液の中に存在して,酸素を運ぶ運搬役をになうタンパク質.
タンパク質と酸素分子が何らかの相互作用で結合しているのですね.
もちろん,運搬したら下ろさなければなりません,つまり,結合→解離,が起こるわけです.
この相互作用は,さまざまな力,電荷,疎水性,水素結合,などで起こります.
このような現象を物理的に考えるのが生物物理学です.
また,石島研究室で研究されているモータータンパク質.
車で言うと,エンジンですね.
もちろん,エネルギーがないと動きません.
車で言うと,ガソリン,生体分子ではATPの加水分解,イオンの流れに相当します.
エンジンの中でどうやってガソリンが回転運動に変換されるの?と同じ疑問を生体分子で研究している,その手法に物理学を利用しています.
このようなタンパク質を代表とする生体分子がどのように機能を発揮できるのか?
タンパク質はご存じの通り,アミノ酸のポリペプチドが複雑な構造をとっています.
その構造と機能との関係を1分子レベルで明らかにしたいと願っているのが高橋研究室です.
その物理学的手法は多岐にわたります.
齋藤研:X線結晶解析
高橋研:蛍光分光,蛍光測定
石島研:蛍光測定,1分子イメージング,ナノ計測
などです.
もちろん,生化学的手法,分子生物学的手法も取り入れています.
一度,各研究室の紹介をのぞいてみてください.