偏光顕微鏡のなぞ-05
どの程度光が透過するか?
斜めの楕円では計算が面倒なので,水平な楕円を考えていきましょう.
この第一象限のX,Yのベクトルの大きさを比較すればいいのです.
しかし,円運動と違って角速度が角度によって変化してしまいますので,単純に積分することはできません.
X,Y,それぞれの波形は,
\(\Large x = E_{0x} \ cos (kz - \omega t + \delta_x) \)
\(\Large y = E_{0y} \ cos (kz - \omega t + \delta_y) \)
ここで,簡単に,z=0, E0x=x0, E0y=y0,δx=0,δy=π/2,とすれば,
\(\Large x = x_0 \ cos ( - \omega t) \)
\(\Large y = y_0 sin ( - \omega t ) \)
となります.
ここで,各時刻での偏光面の傾きを
\(\Large \alpha = \frac{y}{x} \)
とすれば,
\(\Large \alpha = \frac{y_0}{x_0} \ tan \omega t \)
となります.従ってそのときの角度,θ(t)は,
\(\Large \theta (t) = tan^{-1}\alpha = tan^{-1} \left[ \frac{y_0}{x_0} \ tan \omega t \right] \)
となります.また,
\(\Large x(t) = r(t) \ cos ( \theta) \)
\(\Large y(t) = r(t) \ sin ( \theta ) \)
で表すことができます.
この計算は解析的に解くことが(私には...)できませんので,Δtを細かく刻んで,x,yの総和を求めてその比を求めてみると,
\(\Large \frac{Sum \ of \ y}{Sum \ of \ x} = \frac{y_0}{x_0} \)
となることがわかりました.つまり,
つまり....
楕円の扁平率がクロスニコル状態での振幅の割合
楕円の扁平率の二乗がクロスニコル状態での強度の割合
と考えて良さそうです.
楕円の扁平率と,xy平面上における位相差,との関係は.....考えます...
ここ,を参考にすれば良さそうです.どうも答えは,
\(\Large sin \left( 2 \frac{y_0}{x_0} \right) = sin \left( \delta_y- \delta_x \right) \)
となるようです.