加算平均
ではまず,波形を用意しましょう.
この条件は,
サンプリング周波数: 1kHz
サンプル数: 1024
正弦波1:周波数200Hz,振幅1.0
正弦波2:周波数100Hz,振幅1.5
ノイズ: ガウスノイズ,標準偏差2.0
の合成波です.
なんとなくサイン波見たいのが見えるような見えないような..
この波形をフーリエ変換にかけると,
となり,きれいに,100,200Hzのところにピークが見えます.
ここで,以前の波形とは違うのが,ベースが上がっているところ.
これは,ノイズを加えたために全体的にベースが上がってるのです.
ここで得られる情報は,
この三点,
100Hzのピーク
200Hzのピーク
ガウスノイズの大きさ
です.
注意しなくてはならないことは,ガウスノイズの大きさは,赤い線の高さのみなのです.
それ以外のギザギザは計算上のノイズ,ノイズのノイズ,なのです.
まだ,この波形はノイズに比べて,シグナルが大きいので,あまりこの,ノイズのノイズ,は気になりません.
しかし,もっとシグナルが小さくなった場合,シグナルがこのノイズのノイズに埋もれてしまう恐れがあります.
下の図をご覧ください.
これは左記の条件から,
ガウスノイズの標準偏差:2.0→5.0
にノイズ成分を増やしたものです.
100Hzはまだ認識できますが,200Hzはもう埋もれてしまっています.
往々にして,実験ではこのようなことは多いのです.
この,ノイズのノイズ,を減少させるのが加算平均です.
ここで,シグナルと,ノイズの違いを考えましょう.
ランダムなノイズの場合,ノイズの形は刻々と変化します.
しかし,シグナルは定常的に発生しています.
つまり,ノイズの形は常に同じではないのです.
ですので,ノイズを加算平均していけば,ノイズのノイズ成分はどんどん減少していきます.
その減少具合は,
で減少します.
N,は加算平均の回数です.