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目標・将来展望

現在の医学、生命科学の最も重要な課題のひとつは、生命をシステムとして理解し、その理解に基づく疾患の予防や新たな治療法をどのように開拓していくことができるかということです。これは、単一遺伝子病などのように、1つの遺伝子変異で誘導される単因子疾患のみならず、多くの遺伝子や環境要因が複雑に絡み合って発症する、いわゆる多因子疾患や、病原体が細胞内の様々な因子との相互作用を活用して宿主細胞への感染を成立させる感染症などの、複雑な疾患の病態解明、治療、予防へ新たな道を拓くためには極めて重要な挑戦であり、社会的にも必要性の高いテーマです。このような認識に基づき、本拠点では、これまで分子ネットワークの理解に留まっている生命科学・医学研究を発展させ、細胞を構成する機能分子集合体として最も重要なオルガネラに着目し、様々なオルガネラ間の機能的ネットワーク(オルガネラネットワーク)の解明を目指すとともに、さらには、その理解に基づいて、感染症、神経変性疾患などの病態の本質を解明し、新たな治療戦略への突破口を拓くこと(オルガネラネットワーク医学の創成)を目的としています。この目的を達成するために本拠点が描く研究構想は以下の通りです。

1. オルガネラネットワーク解明への分野融合的研究の推進

病原体が細胞のオルガネラシステムを巧に利用して宿主細胞に感染するという感染症の本態に着目し、感染機構を標的として細胞生物学的視点から解析すること、また、様々なオルガネラ機能に密接に関わる糖鎖サイクルを対象にして解析することを通して、オルガネラネットワーク解明を目指します。

2. オルガネラネットワークの理解に基づく感染症、神経変性疾患などの病態の統合的理解と治療戦略

これまでの視点から脱却し、システムバイオロジーなどの方法論を積極的に取り入れ、オルガネラネットワークの観点から、感染症や神経変性疾患などの複雑な疾患を真に理解すること、さらに、オルガネラネットワークの理解に基づき、疾患の病態の本質に関わるタンパク質や糖鎖修飾を見極め、それらを標的にした診断法や新規治療を開発することを目指します。

オルガネラネットワーク研究で期待される医学への貢献

このような高度な融合研究基盤を持つ拠点を形成するためには、国際的に活躍できる、優れた若手研究者の人材育成が必須です。本拠点では、大学院生や若手研究者がリーダーシップ力、国際感覚を培える人材育成プログラムを実施するとともに、世界トップレベル研究拠点「免疫学フロンティア研究センター」、微生物病研究所感染症国際研究センター、タイ国感染症共同研究センターを有機的に結びつける国際ネットワーク拠点としての役割を果たすため、海外からの学生や若手研究者を受け入れ、より国際的な教育システムを構築していきます。