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第十八回:シマウマよ、汝はなにゆえに、シマシマなのだ?(解決篇)
前編はこちらへどうぞ 


「シマウマは、何故シマシマ模様の毛皮を来ているのか?」
「大阪のおばちゃんは、どーしてヒョウ柄のブラウスが好きなのか?」

前篇では、この大いなる謎の答えにつながる鍵が「模様を作っている原理」にあること、さらに、模様作っているのは2種類の色素細胞のせめぎ合いであり、それは下の図のようなネットワークで表せる事を解説しました。(前篇参照)


我々が知りたい答えは、このややこしそうな関係の中に、存在しています。
このネットワークが意味するものは?
なぜこれが縞模様を作るのか?
さあ、解決編のはじまりです。



矛盾する制御回路の組み合わせが模様を生む
上のネットワークの矢印が同時に働くと、色素細胞にどんな事が起きるのか?
 この関係は一見単純なようだが、実は結構ややこしく、そのままでは、何が起きるのかを直感的に理解することは不可能である。そこで、下の図様に、2つの制御回路(ループになっているので回路です。)に分解してみる。こうすると、ちょっと見通しがよくなります。



まず、1の回路について、黄色細胞が増減した時に、黄色にどんな効果が返ってくるのか考える。

黄色が増える>>黄色は黒の生存を助けるので、黒も増える>>黒は黄色を排除するので、黄色は減り、元に戻る
黄色が減る>>黄色から黒への生存促進効果が減り、黒が減る>>黒の排除効果が無くなるので黄色が増え、元に戻る


と、いずれの場合も、この制御回路は細胞の増減に対して逆に働き、黄色と黒の割合を一定に保とうとする。このような制御回路を、ネガティブフィードバックと言う。
では、2の回路はどうか? 


黄色が増える>>黄色の排除効果により黒が減る>>黒の排除効果も減るので、黄色はさらに増える
黒が増える>>排除効果により黄色が減る>>黄色の排除効果も減るので、黒はさらに増える

いずれの場合も、行きつくところまで行き、全て黄色か全て黒になったところで止まります。回路の中に2つの抑制反応があると、否定の否定になるので、全体として自分自身の増減を促進する方向に働く。だから、この制御回路はポジティブフィードバックである。1の回路とは正反対だ。

それでは、この2つの正反対の回路が共存すると何が起きるのか? 直感的には、両方の性質を同時に満足させることはできないように思えるが、相互作用の距離が違うとそれが可能なのだ。

前回のコラムで説明したように、赤の矢印(相互排除)は短距離で、黄色の矢印(生存刺激)が長距離で働く。ポジティブフィードバックは短距離の効果だ・ッで出来ているので、近傍でだけ働き、ネガティブフィードバックには長距離の効果が入っているので、広域で働くことになる。これを同時に満たすようなパターンってあるだろうか?

あります。
皆さんの周りにたくさんあるし、今、身につけている人だって居るはず。
なぜなら、「模様」と言うのは、もともと、そういう物なのだから。
 

細かい千鳥格子の服は、遠目から見ると均一な灰色だが、近寄ると、黒白の多角形になっている。つまり広域では均一に混ざっているが、近傍では白黒のどちらかに分かれている。縞模様も、もちろん同様。遠くから見ると灰色だが、近くで見ると黒白縞模様である。

そもそも、模様っていうのは、細かいパターンをずらぁ〜っと並べたものなので、広域で見れば、混ざって均一な中間色になる。その当たり前の構造を作るのに、この2つのフィードバックの組み合わせは、実にぴったりなのだ。



動物の模様を作るのは、波紋(山吹色のオーバードライブ)である。
上の説明で、ゼブラフィッシュで見つけた2つのフィードバックが、模様全般を作る基礎であることは解っていただけたと思うが、模様のパターン(縞、斑点、千鳥格子など)がどうやって決まるか、という肝心な点が、これだけでは説明できない。だから、もう少し詳しく、この2つのフィードバックの組み合わせがどんな現象を引き起こすかを調べていきましょう。

今度は、黄色と黒が一様に混ざっている短冊状(1次元)の皮膚の領域を考えていく。それを、X軸に沿った黄色細胞、黒細胞の密度でグラフにすると、下図Aのようになる。


この状・ヤから中央付近で黄色の細胞が増えたとしよう。(下図B)近傍で起きる相互排除効果で、黒細胞はどんどん減って行き、黄色はさらに増えて行くことになる。(近傍では、黄色の排除効果>生存促進効果、としてあります。)
 

相互排除効果により、中央では黄色が圧倒的優勢になるが、すこし離れたところでは、黄色細胞の排除効果は届かず、逆に黄色による生存促進効果により、黒が増えて行く。

 

そのため、黄色のピークの隣には、黒のピークができ、それが相互排除効果のために安定化する。その結果として、さらに遠くの領域では、黒が減り、黄色が増えて・そのさらに遠くでは、また逆の。。。。。。

 
どうでしょう。なんだか、水面に石を投げて、波紋が広がっていくのに似ていませんか?
そういえば、こんな模様の生き物もいる。


もし、皮膚に波ができるのなら、こんな模様は簡単にできてしまいそう。
ということは、もしかすると、皮膚の模様は波紋、、、なのか? なんだか、少年ジャンプあたりに出てきそうなマンガチックなアイデアですが、これ、マジなのです。



Alan Turingが発見した波紋の原理
この大胆なアイデアを初めて思いついたのは、もちろん荒木飛呂彦(JOJOの作者)ではなく、イギリスの数学者、アラン・チューリング(1912~1954)である。チューリングは、計算機科学の創始者であり、第二次世界大戦の時のドイツ軍の暗号電報を解読した英雄でもある、というとんでもない天才であるが、その天才が、生涯に一つだけ書いた生物に関する論文(”The Chemical Basis of Morphogenesis”1952)で提案したのが、この動物に波を作る原理なのだ。

1950年頃、天才チューリングは、今我々が考えているのと同じ疑問を持った。「動物の体の構造や模様は、どうやってできるのだろうか?卵にはそんな空間的パターンはないのに、、、、」

自然の観察や化学の実験が趣味だったチューリングは、いろいろな動植物を観察し、ある特徴に気づく。模様や体の構造の多くは「等間隔の繰り返しパターン」である、と。数学や物理で「等間隔の繰り返しパターン」といったら、それはすなわち「波」の事である。

「波」と「生物の形」。
通常なら、そんなものが結びつくとは思わないのが、まともな大人ってもんです。でも、チューリングは天才だったので思いついてしまった。しかも、どうやって波ができるかという原理のおまけ付きで。



波紋の原理を数学で解明
チューリングは、生物の中でできる波は化学反応がベースになるはず、と予想した。下図が彼の考えた、化学反応の組み合わせによる波形成の原理。登場するのは、わずか2種類の化学物質、活性化因子と抑制因子と呼ばれる仮想上の物質である。

 
Turing波形成の原理(活性化因子、抑制因子のネーミングは、後にマインハルトによる)


活性化因子は、自分自身の合成を促進し、さらに抑制因子の合成も促進する。一方、抑制因子は、活性化因子の合成を止める。このネットワークを、先ほどと同じように2つの部分に分けると、下図のようになる。左の回路は、活性化と抑制の組み合わせなので、ネガティブフィードバック、右は自分自身による活性化なのでポジティブフィードバック、である。
 

通常の化学反応を想定しているので、反応そのものはごく近傍でしか起きないが、その代わり、各因子(分子)が拡散することで、周囲に影響が伝わる。ここで、活性化因子の拡散速度が小さく、抑制因子の拡散速度が大きい、とするとどうだろうか?そのとおり。左のネガティブフィードバック回路は遠距離で働き、右のポジティブフィードバック回路は近距離で、という組み合わせになり、色素細胞の制御構造ネットワークと全く同じになるのです。制御構造が同じなのだから当然、起きる現象も、もちろん同じはず。

チューリングのモデルには、細胞の生死とか、伝わる距離の異なる相互作用とか、複雑な物が一切ないので、物理現象として記述しやすい。例えば、チューリングのオリジナルのモデル式は以下のようになっている。

Turingのオリジナルの波を作る方程式


チューリングは、この微分方程式を解き、パラメータの値を適当に定めれば、波のパターンが生じることを証明した。その数学的な証明は難しいが、数学者でない我々も、シミュレーションでそれを確認できる。
下の図は、近藤のHPからダウンロードできるTuring simulator(ご自由にダウンロードして楽しんでください)の計算結果である。



このように、初期条件に関係なく、自発的に等間隔パターンが出現し、人為的に壊されても勝手に元に戻る。ね、このあたりが実に波っぽいでしょう。この原理でできる波は、現在、物理の世界では「Turing波」と呼ばれている。

という訳で、理屈としては「このTuring波が魚の模様の正体だ」ということになるのですが、どうでしょう?
えっ?
「模様が波なんて、俄かには信じられない。漫画の読みすぎじゃねーの?」
「おれ、波紋の修行してないし」

よろしい。模様が波である証拠をお見せしよう。皆さん、皮膚の模様は動かないと思っているでしょう。だが、波紋の修行、じゃなくて巧妙な実験をすると、自在に動かすことができるのだ。


波紋の修行で皮膚模様は動く
ゼブラフィッシュの模様は、乱れのない平行ストライプである。これを人工的に乱すとどうなるか?例えば、縞の一部を消してしまった時、どんな治り方をするのか?

まずは、シミュレーションによる予測をお見せします。下図の様に、平行ストライプのパターンの一部を、消して(活性化因子の濃度を0にする。)しまったら、どうなるだろう?

面白いことに、等間隔を取り戻そうとする波の性質により、縞が湾曲して隙間を埋め、元に戻ろうとするのである。
 

では、実際の魚(ゼブラフィッシュ)に同じ実験をしてみるとどうなるか。
結果は下の図です。

 理研CDB(当時)における山口研究員の研究
Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Mar 20;104(12):4790-3


上の2本の縞にある黒細胞をレーザーで焼いてしまうと、下の縞が、よっこらしょっ、と上に移動し、釣鐘状のカーブを描いて隙間を埋めようとする。
どうですか?そっくりでしょう。これ、CGじゃないですよ。波紋の力です。

では、もう一つ別の例を。
縞模様を持つ魚が成長して大きくなると、縞の間隔も開いてしまう。これは、模様が変形してしまった、と解釈することができるわけであり、もし、模様がチューリングの波であれば元の間隔に戻るはずだ。でも、どうやって?
例えば、こんな枝分かれのあるパターンだ・ニ、どんなことが起きるかというと、

 
こうなります。
縞の枝分かれ部分が、ジッパーみたいに開いていって縞の数を増やし、結果として間隔を元に戻して行くのである。このタテジマキンチャクダイの場合、ジッパーの平行移動は魚が成長する限り続き、ジッパーが左右に動きながら縞の数を増やし続ける。(この事実が、Turing波が生物に存在することの、最初の証明になった。)

どうでしょう。模様が「波」である、ということ。納得していただけましたでしょうか?



波紋のパターンを決めるのは何か
では、「納得した」と言う事にして、次に、模様のバリエーションについて考えてみる。
模様がTuring波だとすると、模様の違いは、波の形の違いということになる。

例えば、音波の場合、上の図のような波形の違いが音色の違いとなって感じられる。波形は音色であり、音の指紋である。

チューリング波の場合も波形の違いは作れるが、一つ制約がある。物質の拡散がどの方向にも同じように働くので、通常、波は左右対称でなければならない。(上の音波の場合、一番上の音叉の音以外は、時間軸に対して非対称)
 
Turing波でできる典型的な1次元の波形


1次元の場合、正弦波のような波(B)を基本形とすると、上に尖ったピークのA、ピークがなだらかなC、の3種類が基本的なバリエーションになる。図をよく見ればお分かりのように、活性化因子が少ないとA、ちょうどバランスが取れているとB、活性化因子が優勢だとC、になる。

それでは、それぞれの波が、2次元の平面ではどんな模様になるか想像できますか?
答えは下の図。
  
上図のA,B,Cに対応する2次元のTuring波


ピークが小さいと、小さなスポットになり斑点模様になる。ピークの部分が大きくなると、次第に隣の斑点と融合していくが、大きな斑点にはならず、等間隔性を保ちながら線状パターン、すなわち縞模様になる。更にピークを大きくすると、線と線が所々でくっついて、網目模様(あるいは斑点の逆転)になる。

そうなんです。斑点も縞も網目も、全部、同じ波からできる兄弟なのです。
(Turingの原理は、縞の方向を決める要素は入っていないので、ランダムなパターンを初期条件にすると、上図の様な方向性の無いストライプになる。場に何らかの方向性(境界条件)があれば、方向性が決まる。ゼブラフィッシュの場合は、筋肉の構造が方向性を決めているらしい。)


白斑点と黒斑点の、中間の模様はなんだろう?
さてここで、下の3つの魚の模様を見てみよう。
 
3種プレコ(アマゾン原産のナマズ)。近縁種ではあるが模様が異なる


普通の人が見れば、全然違った模様に見える。きっと、「なぜ近縁種なのにこんなにも違う模様なのだろう?と、不思議に思うはず。でも、この解説を読んでいるみなさんにとっては、もう不思議でもなんでもない。そう、これらは、基本的に同じような波紋であり、ちょっと見え方が違うだけなのだ。面白いでしょう。

では、ここでひとつ問題です。
明るい色の斑点の魚と、暗い色の斑点の魚を掛け合わすと、その子供は、どんな模様になるでしょうか?

Turing波では、縞は、斑点と網目の中間だ。だから理屈では、斑点と網目(逆斑点)の掛け合わせによって、ちょうど中間の性質になれば縞模様できる、と予想されるのだが、やってみると、本当にその通りになる。
 
阪大生命機能研究科の宮澤博士の研究。(Nat Commun. 2010 Sep 7;1:66

 

実は、30年以上前の「釣りキチ三平」というマンガ(少年マガジン)にも、このことが出てくる。イワナを釣っていたら、謎のカラクサ模様の魚が釣れてしまい、それはいったい何か?というストーリーだ。現実の話として、川の上流域で、イワナ(白斑点模様)とヤマメ(黒斑点模様)の生息域が接する地域に「カワサバ」と呼ばれる縞(迷路)模様の魚が釣れる、という話があるので、それを下敷きにしたらしい。マンガのストーリーでは、唐突に「淡水魚保護協会」の研究員が出てきて、イワナが陸封(イワナはアメマスの陸封を言われている)される過程で突然変異が起って唐草模様になった、という推理を述べる。だが、もし、三平がチューリングの理論をちゃんと学んでいれば、「そら、ちがうっぺ。反応拡散方程式を考えたら、交雑で唐草ができるのあったりめーだっぺ。」となったはずである。
(講談社 釣りキチ三平14:カラクサイワナの巻き)



シマウマは、何故シマシマなのかって?理由なんかないのだ!
さて、これでやっと準備ができました。いよいよシマウマの謎の答えです。
ゼブラフィッシュもシマウマも同じ脊椎動物なので、基本的に同じ仕組みでシマシマを作っていると仮定して良いだろう。(これは、ほとんどの生物学者が同意するはず。)ならば、この場合もTuring波のシミュレーションが使えるはずだ。

前回のコラムで説明したように、シマウマと馬の中間の模様は、細くてコントラストの弱いストライプ(黒白でなく、薄茶と濃い茶)になる。シミュレーションでこれ等のパターンを作るのは、実はとても簡単。長距離効果の「到達距離」を小さくして行くだけで良い。


Turingの原理では、綺麗に分離したハイコントラストの縞パターンを作るには、2つの制御回路が作用する距離が、10倍程度異なることが必要である。作用する距離の差を小さくしていくと、ストライプの幅が狭くなると同時に、完全な分離が得られなくなるので、色のコントラストも弱くなる。そして距離の差が一定以下になると、もはや波を作れなくなり、均一の中間色になってしまう。

 

要するに、縞模様を作る相互作用のうち生存刺激の作用する距離を、長距離から短距離に変えるだけで、「均一の中間色」を作る仕組みになる、ということです。これは、非常に興味深い。なぜなら、野生動物がシマシマになりたい理由は見つからないが、均一な中間色になりたい理由は明白だからです。

野生動物の場合、全身真っ黒や真っ白だったら目立ちすぎだし、中間色であっても、おおきな色ムラがあったら、やはり目立ってしまい良くない。中間色で均一な色合いというのは生存に適しており、だから、大抵の野生動物はそのような外観を持っているのである。だが、どうやってその状態を維持するか?頭とお尻で色合いを合わせるのはむずかしそうだし、毛も皮膚もどんどん入れ替わっている。正確に同じ色をキープしようと思ったら、かなり積極的に色素細胞の量・活性を調節しなければならない。そう考えると、この縞模様を作る仕組みがちょっと変化した物は、ほどほどに単純で、うまく機能する仕組みになっている。

う〜ん、だったら、進化したのは、こっちの方じゃないのだろうか。

「均一な中間色を作る原理が、馬や多くの野生動物で進化した。明らかに生存に有利なのだから、この過程は、適者生存の理屈にかなっている。で、その仕組みにちょっと変異がはいって、シマウマができちゃった。シマウマは、進化により縞を得たのではなく、均一中間色を失った。」と考えると、なんだかとても納・セできる。

ちょっと大胆すぎる仮説かもしれないが、そう考えると、いろいろな事が説明できる。
 


野生の動物の多くは中間色の均一な色合いだが、それを家畜化すると、ほとんどの場合、白黒(あるいは白茶)の不定形のまだら模様の個体が現れる。何故か?

家畜化したことによって、「まだらを作る仕組みが進化した」というのはありえないから、「均一の色合いを保つ」仕組みが「壊れた」と解釈するのが妥当である。で、この均一中間色を作るネットワークに変異が起こり、相互排除効果だけが残るとどうなるか?そうです。白黒(あるいは白茶)のどちらかが一方的に優勢になるだけなので、ぶち模様ができる。目立ちすぎるので野生では生きられないが、家畜は人間が守ってくれるので、このような変異が起きても生存に問題無い。

シマシマを作るには、「均一の色合いを保つ」仕組みの、一つの相互作用の到達距離が長くなればOK。ぶちと比べて多少デリケートな変化だが、一つのパラメータ値の変化でできてしまうのだから、おそらく、これも1世代の突然変異で十分。要するに、シマウマは進化の過程で「縞を得た」のではく、均一中間色を失っただけなのだ。それでも、遠目に見れば灰色っぽく見えて、あまり困らなかったので、がんばってサバンナで生きてま〜す、というわけ。
以上が、波紋の理論から導かれるシマウマが縞を持つ理由である。

考えてみれば、このシマウマ問題が「謎」にしていたのは、「縞を作るには、何か特別な仕組みが必要だ。そんな複雑な物を進化させるには、強い選択圧があるはず。」という、人間の勝手な思い込みである。ちょっとの変異で模様ができちゃうのであれば、大した利点が無くても問題なし。この説明は、シマウマだけでなく、他の縞模様、斑点模様を持つ種全てに適用可能なので、これで、皮膚模様の進化問題は一挙に片付いてしまったことになります。
【進化が専門の先生方、是非ご意見を頂戴したく存じます。】



大阪のおばちゃんとヒョウ柄の関係は?
どうでしょう、スッキリしていただけましたでしょうか?
えっ?まだ大阪おばちゃんとヒョウ柄の問題が片付いていない?
そうでした。うっかり、冒頭に危ない事を書いてしまいました。実は、その理由をお教えするのは危険なのですが、ここまで書いたからには、お教えしない訳にはいきませんね。腹をくくってお教えしましょう。

Turingの微分方程式でヒョウ柄を作るのは、かなり難しいのです。縞(斑点)を作るには拡散速度の比を大きくする必要があり、比が小さいと均一になるか、全体が振動してしまいます。その中間のびみょ〜な値にパラメータをセットした時にだけ、一過的に生まれるのがヒョウ柄です。ヒョウ柄の波紋が作れるかどうかは、波紋の修行の中でも壁とされており、Turing理論初心者にとっての目標ともなっています。(ここまでは本当です。)

実は、大阪には、古より伝わる波紋の技を伝える伝承者がたくさん居るのです。JOJOに出てくるツエペリ男爵は東大阪出身だし、リサリサは道頓堀で育ちました。彼らは、ヒョウ柄の服を買って着ているのではありません。地味な無地の服を着ているのですが、波紋のエネルギーが服に伝わると、一時的に波が発生してヒョウ柄が浮かび上がります。そのようにして、人知れず伝承者同士の存在を確認しあっているのです。

この大阪おばちゃんの秘密は誰にも話してはいけません。恐ろしい事がおこります。
もし、うっかり、誰かに話してしまったら、あなたは、あなたは、、、、、、、
「なにくだらんことぬかしとんじゃ、ぼけぇ!!」
という大阪人のするどい突っ込みに会うのです。ああ、おそろしい。