では,この状態で光がレンズを通過する場所を制限してしまいましょう.
すると,明らかに,さきほどの状態とは変わっていますね.
光の軌跡が細くなったので,我々が焦点が合っている,と定義したRの光の広がりはもっと広くなります.
今度は,ピンクのエリアまで焦点が合うことになります.
つまり,物体Aの前後,AからAまで焦点が合うことになります.
つまり,
レンズの径によって被写界深度が変化する
レンズを絞るほど被写界深度は深くなる
ということになります.
この,絞る,というものは,顕微鏡の世界においては,
NAを小さくする
と同じ意味としてとらえていいので,
高いNAのレンズは被写界深度が浅い
となるのです.
高NA(一般的に高倍率)のレンズほど,ピントが併せにくくなるのは,このためです.
では,実際に被写界深度の違いを見てみましょう.