点像分布関数 (PSF , Point spread function) について-02

二つの開口部から発せられた波は回折現象を起こします.
そして,波と波が強め合ったり,弱めあったりします.
図の点線を波の周期とすると,ちょうど点線が交差した場所が強め合うところとなります.
赤線が,その強めあった点を結んだものです.
図からわかるように,光強度が強い場所と弱い場所が交互に現れます.

この光強度の間隔が二つの開口部の間隔,波長などとどう関係するかを考えていきましょう.
次の図で考えてみます.

wだけ離れた二点の開口部から波が発生し,r1, r2の距離を経て,Lだけ離れたスクリーンに到達します.
その位置は二点の開口部の中心から,φ,の角度となります.

それぞれの開口部からは波が同心円状に広がっていくのですが,その波形は,

\( \Large cos ( k \ r - \omega \ t + \theta_0) \)

と表すことができます.
もう少し,中身を説明すると,
 kr:rの距離での波形の状態を示します(k:波数,k=2π/λ)
 ωt:時間とともに変化する項です
 θ0:開口部から発せられる際の位相です.

となります.

ここで,重要なのは,
 二つの開口部から発せられた(r1,r2を通って)波がどう強め合うか,弱め合うか
ですので,重要なのは,
 最初の項の,kr(kr1,kr2
となります.

さて,この二つの波の合成波は,

\( \Large cos ( k \ r_1 - \omega \ t + \theta_0) + cos ( k \ r_2 - \omega \ t + \theta_0)\)

ですので,一番強め合う条件は,

\( \Large k \ r_1 - k \ r_2 = 2 \pi n \)

(nは整数)

となります.

では,次のページにこの計算をしてみましょう.

l t r