シミュレーションのすすめ-バネ拘束によるゆらぎ-01
さて,ミクロな物体が水溶液中に存在する場合には,周囲の水分子の衝突により揺動を受けます.
その一つの現象が,拡散,でしたね.
もう一つ,同じようでいて,微妙に違う現象に,
バネ拘束によるゆらぎ
と言うものがあります.
これは,
レザートラップによる粒子のゆらぎ
ガラスニードルのゆらぎ
など,実験でも十分に評価できる大きさを持つゆらぎです.
では,この二種類のゆらぎ,拡散とバネ拘束によるゆらぎ,何が違うのでしょう?
厳密な定義はわかりませんが,私の理解では,
拡散によるゆらぎ:粒子の移動に制限がない
バネ拘束によるゆらぎ:粒子の移動にはバネという制限がある
と言うものではないかと思います.
もちろん拡散の場合にも,障壁などがあれば制限を受けますが,基本的には+-どちらに移動するかの確率は等価です.
それに対して,バネによる拘束の場合は,
バネが伸びる方向:バネを伸ばすだけのエネルギーが必要
バネが縮む方向:エネルギーを必要としない
という差が生じます.
それでは,この,バネ拘束によるゆらぎ,をシミュレーションで再現してみましょう.