大阪大学 生命機能研究科 発生遺伝学グループ Developmental Genetics Group (Hamada laboratory)
565-0871
大阪府吹田市山田丘1-3
大阪大学
生命機能研究科
発生遺伝学グループ
Satoko Yoshiba : 吉場聡子
タイトル:”Cilia at the edge of the node of mouse embryos sense fluid flow for left-right determination via Pkd2” (マウスの左右軸形成においてノード繊毛は流れのセンサーとして働く)
要約: 私たちの体は外見上は左右対称ですが、内臓の形や配置などは左右非対称です。これは、まだ方向性をもたない受精卵が、胚発生により位置情報を獲得する過程において、左右の対称性が破られることで生じます。これまでマウスでは、受精後7.5日頃に現れるノードとよばれる組織に存在する繊毛が回転運動をし、それによって生じた左向きの水流(ノード流)が、左右対称性を破るきっかけとなることがわかっていました。しかし、このノード流がどのように受容されるのかについては明らかになっていませんでした。 本研究では、繊毛自身がノード流のセンサーであるという仮説に基づき、分子遺伝学などの手法を用いて、繊毛をつくるモータータンパクKif3aを欠損する変異マウスや、繊毛に存在するセンサー分子Pkd2を欠損したマウスを用いて、ノード流の作用機構の検証を行いました。その結果、繊毛をもたないマウスやPkd2が繊毛に存在しないマウスでは、ノード流が受容できなくなり左右が正しく決まらないことがわかりました。一方、ノードの脇に繊毛が残っていれば、ノード流に反応しました。これらの結果より、ノード流がノードの脇にある繊毛によって受容されることが示唆されます。
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