大阪大学 生命機能研究科 発生遺伝学グループ Developmental Genetics Group (Hamada laboratory)
565-0871
大阪府吹田市山田丘1-3
大阪大学
生命機能研究科
発生遺伝学グループ
Kyosuke Shinohara : 篠原恭介
最近の成果より
タイトル:“Two rotating cilia in the node cavity are sufficient to break left-right symmetry in the mouse embryo” (マウス胚において左右対称性を破るためにはノード結節に存在する2本の回転する 繊毛が引き起こす流れで十分である。)
Nature Communications Volume: 3, Article number:622 (2012)
要約:
われわれヒトに最も近いモデル動物であるマウスにおいて体の左右は受精後8日目に 決定されます。この時期、体の正中線上に現れるノードと呼ばれる200の細胞群がも つ繊毛が時計回りに回転し将来の体の右側から左側へ向かう流れ(ノード流)を発生さ せ、この流れがノードの左右で発現していた遺伝子の対称性を破ることで体の左右を 決めると考えられています。しかしまだ流れの役割やどの程度の流れがあれば体の左 右が正しく決まるのかに関しては未解明な点が多く残されています。今回、体の左右 異常が低い頻度で現れる変異体マウスの繊毛運動、流れ、遺伝子発現を計測しまし た。その結果、『従来はノード内の200本全ての繊毛が協調して流れを作り出すこと が体の左右を決めるうえで重要だと考えられてきましたが、意外なことに胚の左右が 正しく決まるためには少なくとも2本の回転運動する繊毛が引き起こす水の流れが存 在すれば十分という事が分かりました』。
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