Home
English Site Map
研究科長挨拶 研究科概要 研究室案内 催し/リソース 入試関連 アクセスマップ 掲示板 研究科内専用 リンク集
Home > 研究室案内
生体ダイナミクス講座 機能プロテオミクス研究室 (乗岡研究室)
乗岡研究室は2006年8月をもって終了いたしました。このページは記録として残してあります。
ナノ生体科学講座
ソフトバイオシステムグループ
プロトニックナノマシングループ
細胞内情報伝達研究グル−プ

細胞ネットワーク講座
代謝調節学研究室
細胞内分子移動学グループ
形態形成研究グループ
 

時空生物学講座
遺伝学研究室
病因解析学研究室
心生物学グループ
細胞構造研究グループ

個体機能学講座
免疫発生学研究室
発生遺伝学グループ
細胞機能学グループ
病態医科学研究室

脳神経工学講座
視覚神経科学研究室
脳システム構築学研究室
認知脳科学研究室
細胞分子神経生物学研究室
神経可塑性生理学研究室

生体ダイナミクス講座
生理学研究室
非平衡物理学研究室
機能プロテオミクス研究室
ナノ・バイオフォトニクスグループ

生命理工学講座(協力講座)
分子遺伝研究分野
細胞間コミュニケーション研究室
情報伝達分野
蛋白質情報科学研究系
生体触媒科学研究室
プロテオーム物質創製研究系
超分子構造解析学研究系

寄附講座
免疫制御学(中外製薬)
ナノデバイス基礎(オムロン)

兼任・客員教官
兼任教官リスト
客員教官リスト

 
氏 名
Email
TEL
研究・教育業績
教授 乗岡 茂巳 06-6879-4620
特任助手 望月 正雄 06-6879-4622
特任助手 乗岡 尚子 06-6879-4622

TEL (研究室) 06-6879-4622
FAX 06-6879-4620 (教授)、06-6879-4622 (研究室)
研究室郵便宛先 〒565-0871 吹田市山田丘1-3
大阪大学大学院生命機能研究科 機能プロテオミクス研究室



 プロテオミクスとは、従来のようにタンパク質を個別に扱うのではなく、細胞・組織で発現している全タンパク質(プロテオーム)を系統的・網羅的に扱うことで生命現象を解き明かそうとする学問体系です。その基盤原理はタンパク質化学、タンパク質物理化学、タンパク質情報科学であり、基盤技術は、質量分析計、二次元電気泳動、多次元 HPLC、マイクロフルインディクス、分子間相互作用検出計、プロテインチップなどです。当研究室では、プロテオミクスの新しい方法論と技術を開発するとともに、プロテオミクスの視点から高等植物の受精における自他認識反応(自家不和合性)、花粉管伸長機構、ユビキチンープロテアソーム系によるタンパク質分解、自己免疫疾患の病因解析に関する研究を行っています。


1 次世代プロテオーム構造解析システムの開発

 現行の発現プロテオミクスの解析技術には早急に解決しなければならない3つの課題があります。1つ目の課題は、質量分析計による蛋白質同定 (PMF法) の信頼性が低いことです。質量分析法ではペプチドおよびペプチドの MS/MS により生成するフラグメントイオンの質量数の情報しか得られないため、データ解析用の多くのソフトプログラムの開発がなされてはいるものの必然的に同定の信頼性には限界があります。特に、生体内生理活性ペプチドや低分子量蛋白質あるいは翻訳後修飾を多く受けている蛋白質の場合、誤った蛋白質に帰属されることにしばしば遭遇です。2つ目の課題は、現行の質量分析法では蛋白質のN末端・C末端を決定できないことです。生体内で作用している蛋白質の半数以上はN末端あるいはC末端がプロセスされた成熟体であるにもかかわらず、ゲノム情報と質量分析法のみでは成熟体のN末端・C末端に関する情報は得られません。そして、3つ目の課題は発現蛋白質の普遍的定量法が確立されていないことです。
 当研究室では、上記3課題をすべて解決できる次世代プロテオーム構造解析システムの開発を行っています(図1)。このシステムでは、特殊な標識試薬でタンパク質のN末端、C末端、および翻訳後修飾部位を修飾し、プロテアーゼでペプチドに分解後、それぞれの標識試薬と親和性のある樹脂で捕捉し、質量分析計でアミノ酸配列を決定します。最終的にすべての反応が全自動化された装置として完成させる予定です。

2 高等植物の受精における自他認識(自家不和合成)機構の解明

 高等植物の多くは、近親交配を回避し植物集団内における遺伝的多様性を保持するため、自己と非自己の花粉を認識し非自己花粉でのみ受精する性質をもちます(図2)。この現象は自家不和合性と呼ばれ、1遺伝子座の複対立遺伝子 (S遺伝子) により支配されています。雌しべと異なるS遺伝子型の花粉 (非自己花粉) が雌しべの先端に受粉すると、花粉から花粉管が発芽し、雌しべ内を子房に向かって伸びていきます。花粉管が子房に到達後、生殖核がその花粉管内を通って子房の卵細胞と融合し、受精が成立します。一方、雌しべと同じS遺伝子型の花粉 (自己花粉) は花粉管の伸長が雌しべ内で停止するため受精できません。最近、ナス科やバラ科植物において、雌しべで特異的に発現している RNaseT2 型のリボヌクレアーゼ (S-RNase) が自家不和合性因子の1つであることが実証され(図3)、伸長している花粉管に S-RNaseが侵入し、花粉管内の rRNA や mRNA を分解して花粉管伸長を停止させるという説が提唱されています。そして、S-RNase と相互作用することで雌しべ.・花粉間の自他認識を行っている花粉側因子は、F-box タンパク質であると言われています。即ち、自家不和合性はユビキチン・プロテアソーム系によるタンパク質分解が深く関与し(図4)、自己花粉ではS-RNase が分解されないため花粉管伸長が停止し、非自己花粉ではS-RNase が分解されるため花粉管が延び続けると言うわけです(図5)。しかし、この仮説を証明する実験的証拠は今日まで全く得られていません。
 当研究室では、バラ科ニホンナシ(図6)を研究対象に、プロテオミクスの手法により S-RNase・F-box タンパク質の超分子複合体の検出と単離を目指しています。最終的には、この超分子複合体の立体構造と生きた花粉管内での挙動を放射光X線結晶構造解析、バイオイメージングなどの技術を用いて解明し、上記仮説の実証を目指しています。




2 花粉管伸長機構の解明

 高等植物の受精において、花粉管伸長は非常に重要な過程です。雌しべの柱頭に受粉した花粉から発芽した花粉管は、雌しべの花柱の中を伸長して子房に到達します。そして、花粉の生殖核は花粉管の中を通り子房の卵細胞と融合して受精が成立します。花粉管伸長は細胞分裂によって起こるのではなく、花粉細胞の一部に局性ができ、それが先端(帽体)となって伸長します(図7)。このような伸長方法は tip growthと呼ばれ、神経細胞の軸索、植物の根毛、カビ類の菌糸などの伸長と同じ様式です (Zheng et al. (2000) Trends Plant Sci. 5, 298)。花粉管の帽体は多糖類と RNA に富み、この帽体の中でアクチン重合による細胞骨格形成、小胞輸送とエキソサイトーシスによる細胞膜・細胞壁合成が整然と行われることで花粉管が伸長します(図8)。しかし、その分子機構は Ca2+ の濃度勾配が起因となり、帽体の細胞膜に存在する Rop GTPaseを介したシグナル伝達が関与していること以外、ほとんど解明されていません。
 当研究室では、全ゲノム塩基配列が決定され、かつ形質転換体作製が容易なシロイヌナズナを研究対象に、プロテオミクス的方法と1分子計測技術を駆使して、Rop GTPaseからのシグナルカスケードを明らかにし、小胞輸送とエキソサイトーシスの状態変化をリアルタイムで可視化することにより、花粉管伸長機構の分子レベルでの解明を目指しています。




Page Top
All rights reserved. Copyright © 2003 Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University