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兼任教官リスト
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氏 名
Email
TEL
研究・教育業績
教授 下村 伊一郎 06-6879-3272

FAX 06-6879-3289
研究室郵便宛先 〒565-0871 吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院医学系研究科
H-1生化学・分子生物学講座(分子生理化学修士課程)



本研究グループの主な研究テーマは下記のとおりである。

1 生活習慣病の病態にかかわる内分泌因子の同定と医学応用

 現在、日本の医療財政を最もひっ迫させているものは糖尿病、高脂血症、高血圧、虚血性心疾患といったいわゆる生活習慣病である。現在の日本人が陥りやすいライフスタイルである過食と運動不足は、エネルギー過剰による脂肪細胞への中性脂肪の蓄積、つまり肥満症を引き起こす。肥満時における脂肪蓄積は、肝臓、筋肉、膵臓、血管壁にも起こり、それぞれの臓器の機能障害を発症せしめ、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、高血圧へといたり、最終的に致死的な動脈硬化症へと到る。生活習慣病の発症に脂肪組織から産生分泌されるさまざまな内分泌因子(アディポサイトカインadipocytokine)がかかわっていることが示され、すでに医学応用へと至っている。さらに新たなアディポサイトカインの同定をおこなうとともに、筋肉・肝臓・小腸そして血管からも生活習慣病にかかわる新たな内分泌因子を同定する。これらの内分泌因子が活発に組織間を行き交う臓器連関・クロストークを明らかとし、それぞれの機能解析を行うことにより、生活習慣病に対する新しい予防法、診断法、治療法を開発する。
図1 アディポサイトカインの考え方
 脂肪由来内分泌因子であるアディポサイトカインには過食・運動により低下してしまう善玉のアディポサイトカインであるアディポネクチンやレプチンと、逆に過食・運動により上昇するPAI-1やTNF- といった悪玉のアディポサイトカインが存在する。これらのアディポサイトカインの産生異常が、他の臓器に作用して、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、脂肪肝、動脈硬化に結びつく。血中アディポサイトカイン濃度の是正は、上記疾患の治療に結びつく。

図2 内分泌因子を介した臓器連関
 すでにアディポサイトカイン研究で明らかにされた黄色の経路だけでなく、青で示した各臓器に由来する新たな生理活性物質・内分泌因子を同定し、これらを介した臓器連関・クロストークを明らかにすることで生活習慣病への新治療戦略を開発する。

2 生活習慣病における核内受容体・転写因子の生理病態的意義の解明

 脂肪蓄積、つまり肥満症を基盤に発症する生活習慣病の病態機序の解明は遅れている。さまざまな栄養因子、食品添加物、また環境ホルモンなどの現在文明の産物が、脂肪蓄積に関与していることが考えられる。核内レセプターは細胞外からのシグナルを直接遺伝子の転写調節に反映するという点で、上記外来物質の脂肪細胞での受け皿になっている可能性が高い。さらにヒトにおいて48種類存在する核内レセプターの脂肪細胞分化への連関を総括的に解析する。また肥満の合併症の頻度は腹腔内に脂肪が蓄積する内臓脂肪が多いほど多く、皮下脂肪の蓄積とは相関しない。この内臓脂肪と皮下脂肪の間にどのような性質の違いがあるかについての分子細胞生物学的な検討は十分ではない。内臓脂肪・皮下脂肪の分化機構および脂肪蓄積機構を核内レセプターの観点から検討することは、生活習慣病・肥満症の病態解明そして治療戦略を考えるうえで極めて重要な情報を与える。48種類の核内レセプターの脂肪細胞分化・脂肪蓄積への関与を統括的・網羅的に調べ、重要な核内レセプターを同定し、その転写活性制御機構を明らかにすることで肥満症・生活習慣病への分子標的療法をめざす。
図3 食事などの環境因子に応答する生体内因子として、核内レセプターやステロール応答性SCAP/SREBP系の研究を発展させ、生活習慣病の分子病態の解明をめざす。食事などの生活習慣を含めた外的環境因子に応答する生体センサー、それらの生体内機能、および個人差を規定する遺伝的因子を解明することで、生活習慣病の分子病態を明らかにし、それぞれの病態に基づいた分子標的予防および治療戦略を構築する。
 ステロイドホルモンレセプターの異常は、様々な内分泌疾患を引き起こすことが知られているが、外来性脂質に応答する核内レセプター(PPAR、LXR、FXRやVDRなど)に着目し、生活習慣病の病態との関連を研究する。
図4 我が国において近年大腸がんは増加傾向にあるが、その発症は欧米型の食生活と関係が深い。コレステロールを多く摂取すると、腸管内の二次胆汁酸が増加する。特にリトコール酸には、DNA障害作用があり発がんと密接に関連する。VDRは、リトコール酸のセンサーとして機能し、その解毒機構を誘導する。ビタミンDの摂取に大腸がん予防効果のあることが知られていたが、これは胆汁酸センサーであるVDRが強力アゴニストであるビタミンDによってさらに活性化されることによるらしい。VDRによる二次胆汁酸監視機構の機能障害が大腸がんの発症に関係していると予測される。

3 核内レセプターの分子生物学的研究

 核内レセプターは、DNA結合領域とリガンド結合領域を有する転写因子であり、細胞外の化合物に直接応答し遺伝子の転写を調節する。現在ヒトでは48種類の核内レセプターが存在することが明らかになっているが、リガンドの同定されているものは、グルココルチコイド受容体(GR)などのステロイドホルモンレセプターとレチノイン酸受容体(RAR)などRXRとヘテロ二量体を形成するグループなどに限られ、約半数のレセプターのリガンドは不明である。ショウジョウバエにおいてリガンドの同定されているものはエクジソン受容体(EcR)のみで、線虫にいたってはリガンドの同定されたものはない。核内レセプターの分子生物学的基礎研究から生命および進化の謎にせまる。
図5 RXRヘテロ二量体形成型核内レセプターFXR、PXRおよびVDRは生体内胆汁酸センサーとして機能する。コレステロールの主要代謝産物である胆汁酸は、肝臓においてコール酸やケノデオキシコール酸などの一次胆汁酸に代謝される。FXRは胆汁酸に応答し、胆汁酸合成系へネガティブフィードバックをかける。腸管内に分泌された一次胆汁酸は、脂質の消化吸収を補助し、腸肝循環を介して再利用される。FXRには腸肝循環を促す作用もあるらしい。一部の一次胆汁酸は、腸内細菌によってデオキシコール酸やリトコール酸などの二次胆汁酸に変換されるが、これらは毒性が強い。VDRやPXRは二次胆汁酸に応答しそれらの解毒機構を誘導することで、腸管や肝臓を防御している。

4 核内レセプターの分子薬理学的研究

 PXRやCARなどのRXRヘテロ二量体型核内レセプターは異物センサーと呼ばれ、医薬品に応答しチトクロームP450(CYP)酵素などの薬物代謝系を誘導する。VDRのリガンドは、紫外線(ビタミンD)や腸内細菌(リトコール酸)によってつくられる"異物"である。PPARも医薬品に応答する。LXRやFXRもCYP遺伝子の発現調節を行っており、RXRヘテロ二量体型核内レセプターは異物(医薬品)センサーとして機能しうることが予測される。核内レセプターの医薬品センサーとして機能を解析し、新たな分子薬理機構を研究する。
図6 医薬品は薬効と関係のある標的分子以外に、チトクロームP450(CYP)酵素など医薬品の代謝系に関連する蛋白質にも作用する。核内レセプターも医薬品と結合し、その代謝系と関連する遺伝子や他の標的遺伝子の発現を誘導し、薬効や副作用に影響を及ぼす。

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