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グローバルCOE共催支援「第17回細胞生物学ワークショップ」(H23/8/8-13開催)

                 ●● 実施報告 ●●

2011年8月8日(月)ー 13日(土)
「蛍光顕微鏡トレーニングコース1 ー初級から中級ー」
主催:大阪大学大学院 生命機能研究科グローバルCOEプログラム
   北海道大学 光イメージング研究連携推進プロジェクト
   独立行政法人情報通信研究機構 未来ICT研究所

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私は第11回の受講生としてワークショップに参加し、それから3年後の今回にTAとして参加しました。ワークショップの内容はこれまでの活動報告に詳しくあるのでそちらを見て頂くとして、私はワークショップを受講することで、蛍光顕微鏡初心者がどのように変化していったかという点について報告したいと思います。

3年前、ワークショップを受講したときの私は相当な蛍光顕微鏡初心者で、濃密な講義と実習の半分も吸収できていなかったのではないかと思います。しかし、ワークショップ終了後に教わった内容を頼りに研究室の顕微鏡設定をいじってみたり、ワークショップで知り合った方々にメールで相談したり、学会や飲み会で実際に会って話したりしているうちに、ワークショップの1週間では消化できなかったところも身についていったように思います。

そして今回、TAとして手伝いながら講義と実習に参加したのですが、3年前よりも理解度が大幅にあがっていると感じました。講義の基本部分は受講生のときにも聞いていたために理解しやすかったのかもしれませんが、それ以上にワークショップ後の実践と交流が大きく影響したと感じました。

またTAとして外から受講生を眺めていると、分からないところをすぐさま周りの受講生やTA・講師陣に聞いたり、考察の違いが生じたときはとことん議論したりしていて、実に優秀で熱心だと感じました。自分も受講生のときはこんな感じだったんでしょうか??一生懸命さは負けてないかもしれませんが、今回の受講生は私よりもずっと優秀だったと思います。きっと今回の受講生もワークショップ後に実践や交流を重ね、蛍光イメージングの達人として高みに登っていくのだと思います。

実習担当:川住愛子(濱田研究室)



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細胞生物学ワークショップに参加して

蛍光イメージング。何やらファッショナブルな響きである。学会に行けば色とりどりの細胞の写真を見て、その視覚に訴える説得力にただただ従うばかり。研究室のミーティングでは先輩が光学顕微鏡を用いて蛋白質の局在だけではなく細胞内のpHまでイメージングまでしている。格好いい。でも蛍光イメージングと聞いて思い浮かべることが出来るのはGFPぐらいで、おまけに筆者の現在の興味と研究内容を考えると顕微鏡が主軸になる可能性は低そうな気がする。しかし、蛍光イメージング・顕微鏡に疎いばっかりに、重要な事実を見過ごし、もっと面白い研究を進める機会をみすみす逃してはいないか。そんな危機感と蛍光イメージングに対して抱くぼんやりとした憧れからワークショップに参加させて頂いた。

ワークショップは神戸市西区にある情報通信研究機構(NICT)で行われた。神戸から連想する華やかな都会とは全く対極の、一面に広がる田園地帯にそびえる研究所。日本標準時をナノ秒単位で刻むこの地で行われるワークショップが、単なるワークショップではなく、光学顕微鏡についてみっちりと腰を据えて学ぶ強化合宿であることを示唆していた。初日の講義後に参加者全員が自己紹介を行った。受講生は学生だけではなく、ポスドク、さらには助教の方までいた。それぞれのプレゼンテーションから、皆がこのワークショップを機に、光学顕微鏡を自分のモノにしようとする熱意が伝わってきて、自然と自分の意識も高まっていった。それからの6日間は、午前は内容たっぷりの講義、午後は充実の講師・TA陣にサポートされながらの実習、そして夕食後に講義の復習とデータ解析、そして夜は受講生、講師陣を交えたinformalなディスカッションという濃密な時間を過ごすことになった。講義では、光学顕微鏡の基礎となるレンズやカメラ、光学系、顕微鏡の種類、蛍光など、これまで知らないままにしていた基本事項から徹底的に学び、さらに午後の実習ではDeltavision、Leica、Nikon、Olympus、Yokogawa、Zeissの顕微鏡を使い、全視野顕微鏡・共焦点顕微鏡・ニポーディスク共焦点顕微鏡を用いてそれぞれの顕微鏡の特徴や、講義で学んだイメージングを実際に自分の手で行った。実習では、各メーカーさんのサポートの元、さらに経験豊富な講師・TAの方が受講生の質問に懇切丁寧に答えて下さるおかげで、顕微鏡の理解がどんどん深まっていった。私は顕微鏡については全くの素人を自負していたが、光学系や各顕微鏡の仕組みなど講義でキャッチアップ仕切れなかった事項も、この実習の時に講師・TAの方と話すことでなんとか理解することが出来た。どんな初歩的なことも恥ずかしからず、分かったふりをせずに、質問しながら理解を深めることが大切であることを改めて知った。それも講師・TA・メーカーの方々のバックアップのおかげであり、熱意ある受講生に囲まれている環境だからこそ出来たのかもしれない。この時、中途半端な理解で実習を進めていると、最終日の"データ発表"のとき、講師の方からの厳しい質問攻めにコテンパンにされることになる。

万全のサポートのおかげもあり、日を追うごとに蛍光イメージングに抱いていたぼんやりとしてイメージは、徐々に焦点が合ってクリアになっていき、そして今まで見えなかったことが見えてきて、新しい興味が湧いてくる。生細胞蛍光イメージングにおいては、それぞれの手法の特徴を良く理解し、自分の興味のある現象に合わせて、システムのトレードオフを考えて、使いこなしていかなければならないことも学ぶ。ワークショップ(初級~中級)では、マルチカラー三次元イメージング、タイムラプスイメージング、FRAP、Photoactivation、高速イメージングまで実習で体験することが出来るが、それら個別のスキルだけでなく、生細胞蛍光イメージングのイロハも実習を通して学ぶことが出来る。このようなところまで学んで、自分のモノにしていくことも、このワークショップだからこそ得られる貴重な体験である。

ワークショップを修了すると、蛍光顕微鏡が身近なモノに感じられるようになる一方で、その奥深さも垣間見ることになり、さらなる修練へのモチベーションが湧いてくる。自分の興味ある生命現象にはどの手法が最適なのか?どのようなイメージング技術を使えば新しいことが分かるのか?今まで立てることさえ出来なかった問いが立てることが出来るようになり、華やかな写真の裏にある各種のパラメータに気が向くようになる。蛍光イメージングを本当に自分のツールにするにはまだまだ時間がかかりそうである。実戦も知識も足りない。しかし、ワークショップのおかげで、志高い同士が周りにいることも知った。そして蛍光イメージングの世界が自分の周りに広がっていることも。

原 典孝(難波研究室 博士課程4年)




============== 開催概要は以下のとおりでした =============

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第17回 細胞生物学ワークショップ  応募要項
「蛍光顕微鏡トレーニングコース1 ー初級から中級ー」
主催:大阪大学大学院 生命機能研究科グローバルCOEプログラム
   北海道大学 光イメージング研究連携推進プロジェクト
   独立行政法人情報通信研究機構 未来ICT研究所

2011年8月8日(月)ー 13日(土)
開催場所:独立行政法人情報通信研究機構 未来ICT研究所

受付日:2011年6月13日ー6月29日(必着)
申し込み方法:下記の「応募内容」を、下記の「申し込み先」にe-mailでお送り下さい。Subject 欄に「阪大COE 細胞生物学ワークショップ参加申し込み」と明記下さい。FAXでも受付けます。

応募対象と募集人数:
全国の大学院博士後期課程の大学院生 約16名
ポスドク・教官など  約4名
これ以上の応募があった場合には、応募締め切り後に選抜を行います。採択・不採択の結果は、7月1日にe-mailにて連絡します。

参加費:
 大学院生5万円(宿泊・食事)、その他8万円(宿泊・食事、受講料3万円)
 (経費免除もあります。詳しくは応募内容3を見て下さい)
  
・参加費は期間中の宿泊および食事を含みます。
 (8月7日--12日の6泊、および8日の朝食から13日の昼食まで)
・交通費:居住地と開催地の間の交通費は受講者の負担です。
・大学院生は可能な限り指導教官の公費負担をお願いします。
・教科書として共立出版「生細胞蛍光イメージング」(定価6300円)を使います。その費用は、参加費には含まれません。すでに本を持っている場合は、新たに購入する必要はありません。購入を希望する場合は、共立出版社に「細胞生物学ワークショップの参加者」であることを連絡すれば、ワークショップ特別価格(2割引)で購入することができます。ワークショップ特別価格での購入の詳細は、参加者が決定した段階で、各自に連絡します。

応募内容:
1)個人情報:名前(ふりがな)
 所属(○○大学大学院○○学研究科、○○学研究室など)
 学年(博士後期課程○年、一貫制博士課程○年など)
 性別(ホテルの部屋割等のために必要)
 連絡先(所属の住所、電話番号、FAX番号、E-mail address:E-mail addressは必ずお書き下さい)
2)指導教官(名前、職名、電話番号、E-mail address:電話番号は必ずお書き下さい)
3)経費の免除を希望するか
 (指導教官から公費補助が得られない場合や震災の影響で経費負担が困難な場合)
希望する・希望しない(いずれかを選択)
(希望する場合、指導教官からの推薦書または理由書を添付)
  免除が認められなかった場合、
有償で参加を希望する・参加しない(いずれかを選択)
4)蛍光顕微鏡の使用経験(顕微鏡機種、経験年数、目的、頻度など)
5)現在の研究対象(例:培養細胞、ショウジョウバエ、酵母など)と、研究内容を簡単に。
6)なぜ、このワークショップ受講を希望したか(400字程度)
7)このワークショップで修得したい技術
8)大学院終了後の進路希望(差し支えのない範囲で)


申し込み先:
細胞生物学ワークショップ事務局(高村)
〒651-2492 神戸市西区岩岡町岩岡588ー2
(独)情報通信研究機構 未来ICT研究所 生物情報グループ
Fax: 078-969-2249 (Tel: 078-969-2240)
E-mail: cbws@ml.nict.go.jp
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第17回細胞生物学ワークショップ
蛍光顕微鏡トレーニングコース1 ー初級から中級ー

開催日程:2011年8月8日(月)−13日(土)
開催場所: 
独立行政法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所
連携:大阪大学大学院 理学研究科 細胞機能構造学
(651-2492兵庫県神戸市西区岩岡町岩岡588-2)

目的:バイオイメージング技術習得のためのワークショップ。生きた細胞内の生体分子のダイナミクスを解析するのに必要な、蛍光顕微鏡の基礎と方法論について講義と実習を行う。最先端の蛍光顕微鏡装置を実際に使用した実習を行い、細胞の扱い方、装置の使い方、画像データの取得・処理法を修得することを目的としている。

主な内容:蛍光顕微鏡の基礎、蛍光色素、細胞への蛍光色素の導入方法、生きた細胞の観察方法、wide-field蛍光顕微鏡を用いたtime-lapse観察、共焦点顕微鏡を用いたtime-lapse観察、FRAPとFLIP法、photoactivationによる細胞内分子移動度の測定、高速イメージング。

講師:
原口徳子(情報通信研究機構、大阪大学大学院理学研究科)
平岡泰 (大阪大学大学院生命機能研究科、情報通信研究機構)
金城政孝(北海道大学大学院先端生命科学研究院)
永井健治(北海道大学電子科学研究所)
木村宏(大阪大学大学院生命機能研究科)
和田郁夫(福島医科大学生体情報伝達研究所)

受講対象:主に大学院後期課程の学生を対象として16名程度、ポスドク・若手研究員を4名程度。大阪大学の学生でなくても、応募できます。

応募要項:以下のweb siteをご覧下さい。
細胞機能構造学HP:http://www-karc.nict.go.jp/w131103/CellMagic/index.html
大阪大学大学院生命機能研究科HP: http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/
北海道大学大学院生命科学院HP:http://www.lfsci.hokudai.ac.jp/gakuin/ news/index.html

特記事項:
このコースの参加者は、秋から冬にかけて開催予定の第18回細胞生物学ワークショップ 蛍光顕微鏡トレーニングコース2-中級から上級-(主催:北海道大学、担当:金城政孝、永井健治)へ、優先的に参加できます。第18回細胞生物学ワークショップの内容は、光学系設計・組み立て、FRET測定、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光相互相関分光法(FCCS)、2光子レーザー走査顕微鏡などを予定。

主催:大阪大学大学院 生命機能研究科グローバルCOEプログラム
   北海道大学 光イメージング研究連携推進プロジェクト
   独立行政法人 情報通信研究機構