おもろい研究!君ならできる、ここでできる|新しい生物学・生命科学を拓く大学院|大阪大学大学院生命機能研究科

English

海馬における自己と他者の場所表現
藤澤茂義 (理化学研究所 脳科学総合研究センター)

日時

2017年11月22日(水)16:30〜17:30

場所

吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室

演者

藤澤茂義(理化学研究所 脳科学総合研究センター)

演題

海馬における自己と他者の場所表現

要旨

海馬には、空間における自らの位置を表現することのできる場所細胞が存在する。この海馬場所細胞は、例えばランドマークなど外部からの情報が変化してもその活動パターンが保持されることから、海馬は外部情報から客観的な空間情報を内的に構成して認識地図を作成しているのではないかと考えられている。しかし、自分以外の他者や動物など、空間内で自由に移動している物体が、このように海馬で内的に構成された客観的空間地図上にどのように表現されるかは未だ明らかにされていない。今回、他者観察行動を行っているラットの海馬からニューロンの発火活動を大規模細胞外電気生理記録により観測することにより、他者の空間上の位置が海馬認識地図上でどのように表現されているかを明らかにする研究を行った。その結果、海馬において、自己の位置を表現する標準的な場所細胞に加え、他者の位置を表現するニューロンが存在することを確認した。これは、海馬は空間上の自己の場所情報だけではなく他者の場所情報も符号化できるということで、海馬認識地図が客観的な情報を有していることを明らかにした。

参考文献

  1. Terada, S., Sakurai, Y., Nakahara, H. & *Fujisawa, S.
    Temporal and rate coding for discrete event sequences in the hippocampus.
    Neuron 94, 1248-1262 (2017).
  2. Patel, J., Fujisawa, S., Berényi, A., Royer, S. & *Buzsáki, G.
    Traveling Theta Waves along the Entire Septotemporal Axis of the Hippocampus.
    Neuron 75, 410-417 (2012).
  3. Fujisawa, S. & *Buzsáki, G.
    A 4-Hz oscillation adaptively synchronizes prefrontal, VTA and hippocampal activities.
    Neuron 72, 153-165 (2011).
  4. Fujisawa, S., Amarasingham, A., Harrison, M. T. & *Buzsáki, G.
    Behavior-dependent short-term assembly dynamics in the medial prefrontal cortex.
    Nat Neurosc, 11, 823-834 (2008).

世話人

北澤茂
Tel: 06-6879-4431
E-mail: kitazawa@fbs.osaka-u.ac.jp


http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/jpn/seminar/seminar/docs/fbs-seminar-kitazawa-20171122.pdf