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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)94

講演者 森本充(独立行政法人 理化学研究所 発生・再生総合科学研究センター 呼吸器形成研究チーム チームリーダー)
演題 「呼吸器の機能を反映する上皮細胞の空間制御」
講演者 木村暁(国立遺伝学研究所 構造遺伝学研究センター 細胞建築研究室 准教授)
演題 「中心体中央化の綱引きモデル:マイクロチャンバーを用いた数理モデルの予測性能の検証と展望」
日時 2013年12月19日(木)16時00分〜18時00分
場所 生命機能研究科ナノバイオロジー棟3階セミナー室
世話人 世話人:白鳥秀卓(生命機能研究科 准教授)
TEL:06-6879-7994
e-mail:shiratori@fbs.osaka-u.ac.jp












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実施報告

 第94回生命機能研究科研究交流会では,理研CDB呼吸器形成チーム 森本充チームリーダー,及び国立遺伝学研究所 構造遺伝学研究センター 細胞建築研究室の木村暁准教授をお招きしました。
 初めに森本先生から「呼吸器の機能を反映する上皮細胞の空間制御」についてご講演頂きました。マウス肺の上皮細胞を構成する主な細胞には,クララ細胞,繊毛細胞及び神経内分泌細胞があります。肺の口側と深部ではそれら上皮細胞の構成比が異なり,その分布のパターンが肺の正常な呼吸機能において重要な役割を担っています。本講演では,各細胞がNotchシグナルを介してお互いに情報を与えることで,分化及び分布を制御するという研究内容についてお話し頂きました。遺伝学的手法を用いた実験から,繊毛細胞が発現するJag1が隣接する細胞のNotch2受容体を活性化しクララ細胞へ分化誘導することや,神経内分泌細胞のクラスターの大きさや数は,神経内分泌細胞が発現するDll1と,神経内分泌細胞を囲むように存在するSPNC細胞(森本先生が発見,命名された細胞です)のNotch1~3受容体によって制御されるということを明らかにしました。更にNotchシグナルは肺の再生のプロセスにも関与しているというお話があり,今後の研究の進展が期待されました。
 コロキウム後半,木村先生からは「中心体中央化の綱引きモデル:マイクロチャンバーを用いた数理モデルの予測性能の検証と展望」についてご講演頂きました。中心体が細胞の中央に移動するメカニズムについて,細胞内小胞が微小管を移動する際に生じる力の反作用で中心体が中央に引っ張られるというモデルをつくり,シミュレーション結果とin vivoにおける実測データとの比較からモデルを検証するという内容でした。実験では様々な形のチャンバーにウニの受精卵を入れた条件下での中心体の動きを観察するというユニークな手法を用いており,講演後の質疑応答では,ひょうたんのように中央が窪んだ形のチャンバーに入れたらどうなるか等,議論が交わされました。また,研究をする際のスタイルとして,観察の前にモデルをつくるべきかについて熱く議論が交わされました。
講演には様々な分野の研究室からの参加者があり,活発な議論が行われました。懇親会においても議論は続き,親睦が深められました。


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