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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)87

講演者 磯田昌岐(関西医科大学生理学第二講座 准教授)
演題 「マカクザルの前頭葉内側皮質における自己と他者の動作表現」
講演者 藤山文乃(同志社大学・脳科学研究科・神経回路形態部門 教授)
演題 「大脳基底核ネットワークを形態学的に解析する」
日時 2013年4月24日(水)17時00分〜19時00分
場所 脳情報通信融合研究センター(CiNet棟)1階大会議室
※ナノバイオロジー棟3階セミナー室より変更となりました。
世話人 世話人:小林康(生命機能研究科 准教授)
TEL:06-6850-6521(or 080-9098-3279)
e-mail:yasushi@fbs.osaka-u.ac.jp

協賛:脳情報通信融合研究センター(CiNet)






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実施報告

第87回生命機能研究科研究交流会は4月24日に行われました。残念ながら非常に天気が悪い中でしたが、大勢の出席者が聴講されました。今回は脳情報通信融合研究センター(CiNet)に協賛していただき、この春に竣工した新棟で初めて行われた研究交流会ということで、同志社大学の藤山文乃教授と関西医科大学の磯田昌岐准教授をお迎えして脳機能を紐解くための大変興味深い講演をして頂きました。
まず初めに、関西医科大学・生理学第二講座の磯田准教授に「マカクザルの前頭葉内側皮質における自己と他者の動作表現」についてご講演いただきました。磯田先生は、social neuroscienceの研究者として、他者の取る行動が自分の取るべき行動を教えてくれる要因なのではないか、というテーマについて興味を持って研究をされています。今回の講演では、マカクザル2頭をActorとObserverに分けて課題を行いObserverが他者であるActorの行動を観察することで課題を学習・実行する実験から、他者の行動やそれに基づく自分の行動が脳内に表現されていることを神経活動レベルで解明した研究についてお話いただきました。磯田先生は対象を物(thing)ではなく者(being)であると見なすこと、つまり「物体に心が宿る」ことをsocialの定義として挙げており、講演後の質問でも、ロボットが相手ではどうなのか、そもそも自己と他者の境界線はどこにあるのか、ActorとObserverが協力している場合と敵対している場合ではどうなるのか、といった今後の研究への発展的な質問が飛び交いました。
続いて、同志社大学・脳科学研究科神経回路形態部門の藤山文乃教授に「大脳基底核ネットワークを形態学的に解析する」というテーマについてご講演いただきました。藤山先生は古くから言われていた直接路・間接路という単純化された大脳基底核ネットワークに対して疑問をもち、形態学的観点から研究をされています。今回の講演では、線条体から淡蒼球内節へ投射しているニューロンが淡蒼球外節にも投射していたり、淡蒼球から線条体へ戻る抑制性のループを形成していたりする、というこれまで知られていなかった大脳基底核ネットワークを形態学的に解明した研究についてお話いただきました。さらに、大脳基底核での異常に起因するパーキンソン病やハンチントン病の病因について、この新しい大脳基底核ネットワークに基づいた仮説をお話いただきました。こういった難病の原因解明は脳神経を研究する大勢の聴衆が興味を持っており、講演後の質問、その後の懇親会と、熱く議論が展開されていました。


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