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生命機能研究科研究交流会(FBSコロキウム)96

講演者 渡我部昭哉(基礎生物学研究所・准教授)
演題 「大脳皮質の比較分子神経解剖学〜細胞タイプとは何か?」
講演者 窪田芳之(生理学研究所・准教授)
演題 「大脳皮質FSバスケット細胞から錐体細胞への抑制性シナプス結合特性 」
日時 2014年3月11日(火)16時00分〜18時00分
場所 生命機能研究科ナノバイオロジー棟3階セミナー室
世話人 世話人:木津川尚史(生命機能研究科 准教授)
TEL:06-6879-7991
e-mail:kit@fbs.osaka-u.ac.jp












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実施報告

 2013年3月11日に第96回生命機能研究科研究交流会が開催されました。今回は基礎生物学研究所の渡我部昭哉先生と生理学研究所の窪田芳之先生にお越し頂きました。
 まず初めに渡我部先生に「大脳皮質の比較分子神経解剖学~細胞タイプとは何か?」というタイトルでお話して頂きました。大脳皮質での細胞タイプの分類は中間型や両方型の存在や、種差、領域差など、未解決な問題が現在も残っています。これらの問題を解決することを目的として行われた実験を、以下の3つのトピックにまとめてご紹介して頂きました。
1) 遺伝子発現解析を使って基本の細胞タイプを探す。
2) ウイルスベクターで細胞タイプの形質を調べる。
3) サルとネズミの種差について。
 渡我部先生は神経細胞の基礎的なお話から、最先端のお話まで、とてもわかりやすくご説明され、遺伝子発現解析のトピックでは、ラットの6層興奮性神経細胞がCCKとPCP4というマーカーによって2つに染め分けられ、それぞれ皮質、視床投射していることを示されました。その発表されたデータの中に美しい染色像のスライドが多いことが印象的な講演内容でした。
 次に窪田先生に「大脳皮質FSバスケット細胞から錐体細胞への抑制性シナプス結合特性」と題してご講演して頂きました。大脳皮質の局所神経回路の構造と機能を調べるために錐体細胞の樹状突起での抑制性シナプスの結合様式や機能を解析する実験をご紹介して頂きました。スライス培養下の錐体細胞とバスケット細胞からダブルレコーディングによりIPSCを記録し、それらの神経細胞を電子顕微鏡により観察したところ、細胞体に近いほど大きなシナプスを形成し、IPSCも強いという結果でした。その結果を分類すると、細胞体での抑制、樹状突起での抑制、棘突起での抑制の3つのパターンに分類でき、この性質からバスケット細胞により錐体細胞が効率よく抑制されていることが考えられるということでした。また、最後にガタン3Viewという最新の電子顕微鏡で撮影された神経細胞の3D画像を紹介され、技術の進歩を感じる刺激的な研究内容でした。
 今回の両先生のご発表に対し活発な質疑応答が行われ、時間を超過する程の盛況ぶりでした。懇親会でも研究の話題で盛り上がり、とても有意義な研究交流会となりました。


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